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ブラジルの不況突入の可能性が懸念される

El Economista 2014/02/14

 ブラジルの経済活動が、12月、急激に低下した。このことは、ブラジル政府がインフレに対応するため、大規模な景気刺激策を徐々に縮小したことから、ラテンアメリカ最大の経済が、不況に陥った可能性を示している。

 当局が14日(金)に発表したところによると、ブラジル中央銀行の12月の季節調整済み経済活動指数(IBC-Br)は、前月比で1.35%低下した。

 ロイターが20人のエコノミストに対して行った調査における予想中央値は、1.0%の低下を示していた。

 経済活動指数は、農業、工業、サービス業の各部門における経済活動を測定する指数であり、前年同月比では、0.17%(季節調整済み)の上昇であった。

 経済活動指数は、一般的には、国内総生産(GDP)の数値を反映するものであり、2013年全体では、2.57%上昇したが、2013年下半期の第3、第4四半期においては、連続して低下した。この展開は、自律的景気後退の定義と一致している。

 第4四半期の経済活動指数は、0.17%の低下、第3四半期は0.21%の低下であった。

 いずれにしても、ブラジル中央銀行の経済活動指数は、経済活動のより広範な解釈を提供するブラジルの統計機関である、ブラジル地理統計院がまとめたGDPの公式の数値を、正確に反映するものとはならなかった。

 サンパウロのブラジルABC銀行チーフエコノミスト、ルイス・オタビオ・デ・ソウサ氏は、「私のベースシナリオは、第4四半期は、安定して成長するというものだった。しかし、現在、ブラジルは、自律的景気後退に非常に近いところにいる。第4四半期のGDPマイナス成長の可能性が増大した」と述べた。

 12月に発表された公式のGDP値では、第3四半期は、0.5%のマイナス成長であった。第4四半期の結果は、2月27日に発表される。

 ブラジル経済の成長は止まった。なぜなら、インフレに対応するため、ブラジル中央銀行が金利を引き上げ、すでに失速していた消費の部門を一層冷え込ませたからである。

 一連の税負担軽減や融資に対する優遇措置も、製造業生産高をほとんど後押ししなかった。製造業は、コストの増加と脆弱なインフラのために、困難な状況が続いた。

 不況に陥れば、ジルマ・ルセフ大統領にとっては打撃となるだろう。ルセフ大統領は、ブラジルの財政の急激な悪化をうけ、市場の信用を回復するために努力している。

 ルセフ大統領は、10月の再選を目指している。

 現在までのところ、大方のエコノミストは、2014年のブラジルの経済成長率を2%弱とする予測を維持している。従って、自律的景気後退は、短期的な現象となる可能性がある。

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