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全国学力テストで75.5%の生徒が「不十分・初歩」

テストの結果、900万人の児童・生徒の学習到達度が、比較的低いことが明らかになった。
データは、この6年間で得られた数学とスペイン語の学習成果が、わずかであることを示している。
「この結果は、学習到達度の低さが非常に深刻であることを反映している」(ルエダ・ベルトラン教育評価研究所長)

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写真:全国学習到達度テストに回答する小学校の児童たち (Notimex)

カリーナ・アビレス
La Jornada 2012/08/30

 全国学習到達度テスト(ENLACE)の結果によると、スペイン語(国語)と数学で「不十分・初歩」のレベルであった生徒は、この6年間の小中学生の平均で75.5%であった。2012年だけで見ると、小学校から高校までの児童・生徒のうち、900万人以上が、学習到達度の最低レベルに位置する結果となった。

 しかし、ホセ・アンヘル・コルドバ・ビジャロボス公共教育大臣は、ENLACEの結果発表において、正しい方向へ向かっていることを強調した。また、ENLACEの政権目標は、中学校のスペイン語以外については達成された、と指摘した。中学校のスペイン語の目標は、「良い・大変良い」のレベルの生徒が22.42%に達することであったが、結果は、20.7%にとどまり、目標まで、あと1.72ポイントであった。

 メキシコ教育評価研究所のマリオ・ルエダ・ベルトラン所長の意見では、今回のテストの結果は、憲法第3条で求められていることと比較してみると、学習到達度の低さが非常に深刻であることを反映している。また、目標値の設定が低かったとも考えられ、おそらく、教育関係者は、より一層の努力をしなければならないだろうと述べた。

 しかし、コルドバ・ビジャロボス大臣は、中学校の各教科、および小学校から高校までのスペイン語について、大きな課題も残るが、今回のテストの結果は、初等中等教育での前進を示しているとし、フェリーペ・カルデロン政権を総括する上で、この政権が教育分野に土台として残す最も重要な成果は、教育における評価と質の文化であると述べた。

 6年間のテスト結果の平均で明らかになったところによると、小学校では、67.3%の児童が、数学で「不十分・初歩」の結果となり、一方、スペイン語では、65.5%がこのレベルであった。中学校では、不十分なレベルにある生徒が、数学では87.7%、スペイン語では81.5%であった。

 今年の小学校の結果では、473万847人(58.2%)の生徒について、スペイン語の到達度が「不十分・初歩」であり、数学でこのレベルとなった生徒の数は、453万4895人(55.7%)であった。科学では、559万7264人が「不十分・初歩」レベルであり、68.6%にあたる。

 中学校では、結果は年を追うごとに悪化している。今年の中学校のテスト結果では、スペイン語で402万1713人(79.3%)の生徒が「不十分・初歩」レベルに位置し、数学では、このレベルの人数は404万8603人(79.7%)まで上昇した。科学では、382万6118人(74.4%)が、評価の最下位レベルに位置していた。

 高校については、数学の評価の対象となった92万1578人の生徒のうち、63万7731人(69.2%)が「不十分・初歩」レベルであった。読解力では、テストを提出した94万6686人のうち、46万1523人(48.7%)が、今年、この不十分のレベルであった。

 実際、この項目(高校の読解力)については、高校におけるこのテストの適用が開始されて以降、結果の悪化が見られる。2008年、「良い・大変良い」のレベルであった生徒は52.2%であったが、2012年では51.3%となっている。

 また、この項目の「不十分・初歩」のレベルの生徒数について見ても、2008年の47.8%から、2012年の48.7%へと増加している。

「2006年から2012年の間に、歴史的な前進があった」

 コルドバ・ビジャロボス大臣は、2006年から2012年の間に、歴史的な前進があったと述べ、小学校の数学を例として挙げ、「良い・大変良い」のレベルにある生徒の割合が、この期間に17.6%から44.3%へと増加したことを指摘した。これによって、27.5%であった政権目標を上回った。また、スペイン語については、「不十分・初歩」のレベルの生徒の割合が、この期間に78.7%から58.2%へと減少した、と述べた。

 中学校の数学については、「良い・大変良い」のレベルの生徒が、2006年には4.2%であったが、2012年には20.3%となり、政府が目標とする11.6%を超えたことを指摘した。また、中学校のスペイン語については、「良い・大変良い」レベルの生徒は、2006年には14.7%であったが、2012年には20.7%まで増加した。

 2006年から2012年の7回のテストにおいて、小学校のスペイン語の「良い・大変良い」レベルの児童が増加したことの主な要因は、公立の小学校で、このレベルが20.8%増加したことや、先住民の子供たちの間で、このレベルが、2006年の4.1%から、2012年の21.6%へと増加したことにある、と同大臣は指摘した。

 2006年から2012年の間、私立の学校における前進が少なかったことは、特筆すべきである。例えば、私立中学校では、スペイン語の「良い・大変良い」レベルの生徒の割合は、2006年の43.5%から、2012年の44.5%へと、1%の増加のみにとどまった。

 それに引き替え、遠隔地の生徒のためのテレビによる通信教育方式の中学校の場合、公立、私立などの中学校よりも、中途退学や欠席の確率は高いが、この6年間に、スペイン語の「良い・大変良い」レベルの生徒の割合が、12.8%増加した。

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