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雇用労働調査2013年第1四半期:失業率4.9%改善せず

フアン・カルロス・クルス・バルガス
Proceso 2013/05/10

 メキシコの労働市場の状況は、改善されていない。メキシコ地理統計局(INEGI)の発表によると、2013年の第1四半期における失業率と非正規雇用の水準は、2012年の同時期と、実際には同じ水準であった。

 INEGI(エドゥアルド・ソホ局長)は、雇用労働調査(ENOE)の集計結果の発表において、2013年1月から3月の間の失業者は、250万人であったと述べた。

 言い換えれば、経済活動人口のうち4.9%は、求職中であるか、収入を得るために働く場所がまったく見つからなかったという状況にある。この失業率は、前年の同時期と同じ率である。

 しかし、それだけではない。実際には、就業者数4770万人のうち60%は、固定給や手当、社会保障のない、不安定な条件で就業している。

 つまり、2013年の第1四半期において、約2810万人が不安定雇用の状況に置かれている。この数値は、2820万人が不安定雇用であった前年同期の数値より、0.2%マイナスになっており、インフォーマルセクターが、微減したことを表している。

 INEGIによると、不安定雇用は、農畜産部門での労働、家庭から給料を受け取る家事労働、正規雇用であっても、社会保険の登録を回避できる方法での雇用など、社会的に保護されていない労働が特徴である。

 一方、正規雇用者の8.2%は、今期中、給料が不十分であることから、時間外に他の仕事をする必要があった。これは、390万人が、不十分な雇用状態にあることを示している。

 就業者の大部分は、第三次産業部門やサービス産業部門で働いており、2970万人(62.3%)が、この部門に集中している。これらの就業者は、商店、レストランやホテル業、輸送・通信・郵便・倉庫業、専門的な業種や金融・法人向けサービス、社会福祉サービス、その他の様々なサービス業に携わっている。

 1130万人(23.7%)の人々が働くもう一つの部門は、第二次産業部門で、大部分は、製造業、鉱業や電気産業、建設部門などで働いている。

 一方、農畜産部門では、640万人(全就業人口の13.4%)が働いている。

 昨年12月、民間部門の企業は、国内の正規雇用以外の水準が上昇していることについて警告した。というのは、就業者10人のうち6人が、正規雇用以外の雇用形態で働いているからだ。そのため、民間企業は、正規雇用以外の雇用形態を減らすだけでなく、海賊版の製造販売、密売、行商など、違法な経済活動を取り締まるために、省庁間調整委員会の作業を「即時に」活発化するよう、エンリケ・ペニャ・ニエト政権に呼びかけを行った。

 現在までのところ、メキシコ政府は、税制改革によって問題に取り組む考えを示すのみにとどまっている。

 実際に、5月7日(火)、ルイス・ビデガライ財務相は、「税制改革には、経済競争力の強化、税制の簡素化、連邦・州・基礎行政区の各政府の財政能力の強化など、様々な目的がある。そのうちの主要な目的のひとつが、インフォーマルセクターの撲滅だ」と主張した。

 この税制改革の発表は、今年の第2四半期までの間に予定されている。

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