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ベラクルスでジャーナリスト殺害9人目

米州新聞協会はビクトル・バエス殺害を厳しく非難。内務省は支援を申し出る。

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写真:被害者ビクトル・バエス。新聞「ミレニオ・サラーパ」記者でインターネットサイト「レポルテロス・ポリシアコス」の編集長(ロイター)

El Universal 2012/06/15

 ベラクルス州サラーパの日刊紙「ミレニオ」の警察担当責任者で、インターネットサイト「レポルテロス・ポリシアコス」の編集長であったビクトル・マヌエル・バエス氏が、14日の朝殺害され、遺体がベラクルス州の州都サラーパ市中心部で発見された。

 バエス氏は、13日水曜日の夜、「レポルテロス・ポリシアコス」の事務所を出たところで誘拐され、翌朝5時ごろ、サラーパ市中心部のウルスロ・ガルバン通りで、遺体が発見された。付近には、新聞「ディアリオ・デ・サラーパ」、「グラフィコ・デ・サラーパ」、「オジェ・ベラクルス」の事務所がある。

 連邦検察庁は、担当部署を通じて事前調査を始め、特別捜査チームを派遣した。

 「ベラクルスで発生しているジャーナリストを狙った殺人事件について、連邦検察庁の捜査によると、ベラクルス州幹部が関与している可能性もある」と、マリセラ・モラレス・イバニェス連邦検察官は述べた。

 「(州幹部の関与と言うのは)まさにその証拠があったからだ。捜査の方針というものは、汲みつくされなければならないものであり、あらゆる可能性も排除してはならない。あらゆる捜査が行われているが、さらに解決のために、検察庁の捜査チームを強化する」と、イバニェス連邦検察官は、メキシコ法律家協会との連携協定署名後に、インタビューに答えて述べた。

 現在まで、連邦検察庁は、ベラクルス地方検察庁と協力して捜査を行ってきたが、バエス氏殺害事件を受けて、今後は、ベラクルス地方検察庁との情報連携を行わないことを決定した。「捜査にはじめから参加するため、連邦検察庁は、独自に捜査を行うことにする」

 一方、ベラクルス地方検察庁も、捜査を開始した。14日午後、ベラクルス州のエノク・マルドナード調査庁長は、「現場に残されたメッセージは、バエス氏殺害が麻薬組織ロス・セタスの犯行であることを示しているが、引き続き捜査を行う」と述べた。

 また、マルドナード調査庁長は、「『レポルテロス・ポリシアコス』のジャーナリストたちの身辺警護を行うことにし、バエス氏誘拐の目撃情報を、2件取ることができた」と述べた。

 ベラクルス州政府のヒーナ・ドミンゲス・コリーオ報道官は、ベラクルス州政府の名において、この犯罪を強く非難すると共に、ビクトル・バエス氏の遺族に対し弔意を示し、人々から敬愛され、尊敬されてきたジャーナリストの遺族への支援を表明した。

 バエス氏は、事件の数日前、他のジャーナリストたちに「怖がりながら生きることはできないし、するべきではない」と言っていた。

 今年、ベラクルス州で直近2カ月以内に殺害されたジャーナリストは、バエス氏で5人目と、ベラクルス州では組織犯罪が頻発している。

 米州新聞協会は、バエス氏殺害に対する怒りをあらわにし、これらの事件について、素早く、効率的に、責任を持って対処することを、当局に強く求めた。また、危険にさらされているジャーナリストの保護の連邦レベルまでの引き上げに関する法律の成立を急ぐよう求めた。

 今年に入って、メキシコ国内で殺害されたジャーナリストは、バエス氏で6人目、うち5人はベラクルス州内で、4月以降に殺害されている。

 ベラクルス人権委員会は、バエス氏殺害や、2011年以降にベラクルス州内で起こった8件のジャーナリスト殺害事件の真相究明を求め、それを受けて、全国人権委員会が調査を始めた。

 連邦政府は、アレハンドロ・ポイレ内務大臣を通して事件を激しく非難し、ベラクルス州でのジャーナリスト殺害事件に歯止めをかけるために、連邦政府の支援を申し出た。 (通信各社)

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