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60人分の調理が可能なソーラー・キッチン

食品産業用に大型の反射板を使用。ローザンヌでは、水素を発生させる装置の発表が行われた。

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写真:メキシコのイダルゴ州で紹介された産業用の大型キッチン (AFP)

Los Andes 2012/11/12

 反射板システムを用いた、初の産業用大型ソーラー・キッチンが、メキシコ中央部のイダルゴ州エル・サウスに作られた。これは、あるドイツ人起業家によって作られたもので、クリーン・エネルギーを通して、地方集落の経済を改善することを目指している。

 このキッチンの製作者グレゴー・シャパーズさんは、「この反射板で、鍋の大きさによっては、60人分の調理が可能です。16平方メートルの大型反射板は、パン屋やトルティージャ製造所、その他蒸気を使用するあらゆる食品産業に使用することができます。というのは、これらの反射板は、蒸気を発生させることもできるからです」と説明した。シャパーズさんはドイツ出身で、自ら経営するトリニーソル社で、10平方メートルと16平方メートルの反射板を開発した。これらの反射板は、オーストラリア人のウォルフガング・シェフラーさんの技術を用いて作成されたもので、鏡やアルミニウム片によって太陽光線と熱を集め、キッチンの稼働に必要なエネルギーを生産するものだ。

 衛星アンテナにも似たこの反射板のそれぞれが、太陽エネルギーをとらえ、凝縮し、1020℃以上の温度を発生させることができる。熱はひとたびキッチンへ到達すると、鍋やコマル(トルティージャを温めるフライパン)、オーブンへと、分配される。

 「私たちのシステムのいいところは、家の中で直接調理できるということです。このシステム以外の、現在ある大部分のソーラー・システムの問題点は、屋外で調理しなければならないということです。調理にずっと多くの時間がかかりますし、太陽の動きに合わせて、常に反射板を動かしていなければなりません」

水素発生装置

 太陽エネルギーを水素に変換して貯蔵するという考えは、新しいものではない。しかし、ネイチャーフォトニクス誌に昨日紹介された「低コスト」の新しい試作品は、この分子を発生させるために水と酸化物を利用しており、この部門の可能性を大幅に拡大するものだ。

 ローザンヌ工科大学(EPFL)の研究者たちが、24時間いつでも使用できるエネルギーを得ることを目標に、低価格の素材を利用して太陽光線をクリーンな燃料である水素に変換する技術を開発した。

 この方法では、酸素と水素で構成される水(H2O)と、金属、例えば鉄の酸化物、つまり鉄さびを使用する。問題は、鉄の酸化物はどこにでもあって頑丈だが、半導体としてはあまり良質ではないことだ。

 研究者たちが使用した鉄さびは、古い釘の鉄さびよりもずっと複雑な「ナノストラクチャー」という構造のもので、シリコン酸化物を含んでおり、アルミニウムとコバルトの酸化物のナノメートル単位の膜で覆われている。これは、「素材の電気化学的な属性を最適化するための、応用が簡単な」処置であると、ローザンヌ工科大学は発表した。

 「私たちの装置の中で、最も高額な素材は、ガラス板なのです!」と、研究者の1人、ケビン・シブラさんは語った。

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