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ワニは外貨と雇用の源

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写真:ココドリリア養殖場は、キンタナロー州の高速道路チェトゥマル=エスカルセガ線沿いにある。現在の飼育数は280匹だが、550匹に達する見込み。(Lorenzo Hernandez / El Universal)

ジャスミン・ロドリゲス、シルビア・エルナンデス
El Universal 2014/04/25

 キンタナロー州初のワニ養殖場「ココドリリア」の大きな目標は、ワニ肉をエキゾチックな食材として国内外で販売することと、ワニ革を商品化することの二つだ。ココドリリア養殖場は、ワニの養殖によって、メキシコに外貨と雇用をもたらす新たなマーケットを切り開こうとしている。

 ワニ肉はタンパク質が豊富で、他の肉と異なりコレステロールを含まない。また、ごわごわしているように見える皮は、実際には柔らかく、バッグ、ベルト、かばんなどの衣料品を製造するとき、素早くなめして加工することができる。

 その上、ある研究所では、化学療法など厳密な治療を受けている人の免疫システムを再生するために、ワニの脳の物質を利用した医薬品の開発に着手している。

 ココドリリア養殖場は、高速道路チェトゥマル=エスカルセガ線沿いにあり、民間資本だが、環境天然資源省の承認を必要とする野生生物保護団体連合(UMAS)に属している。

 UMASは、現在のようにワニを乱獲せず、保護していくために、ワニが生息する様々な集落のエヒード住民や農民と協定を結び、活動に必要な技術訓練を行ったり、その報酬を支払ったりできるように、環境天然資源省に認可を申請している。

 ココドリリア養殖場では、現在280匹のワニが飼育されているが、550匹を当面の目標としている。

 ココドリリア養殖場の出資者の一人、ホセ・ヘスス・アルコセル・アンドラデ氏は、メキシコではワニ肉はあまり一般的ではないため、ワニ肉はタンパク質が豊富で、牛肉のような食感であり、色と味は鶏肉によく似ていることを、消費者に伝えることから始めなければならないと述べた。

 また、この養殖場の経営者で出資者でもあるロランド・コラル氏は、ワニ肉は、タマーレス、モーレ、ピピアン、ブロチェタなど、どんなメキシコ料理にも利用できると付け加えた。

 ワニ肉は、メキシコ国外では、それぞれの国の料理方法で、エキゾチックなメニューに利用されている。例えば、中国では、ワニ肉1キログラムは40ドル、最も人気の高い足の部位は1本50ドルにまで達することもある。ココドリリア養殖場では、ワニ肉の卸売価格は1キログラムあたり100-150ペソ(約800-1200円)だが、メキシコ市での小売価格は600ペソにまで跳ね上がる。

 一方、ワニ革は、世界的にも高価格で取引される。メキシコでは、ワニ革1センチメートルは8ドル、他の国々では、15ドルになることもある。

 「ワニ革こそ、私たちが獲得したい市場なのです。大量の外貨をもたらし、雇用を創出することがわかっているからです」と、コラル氏は述べた。

 また、メキシコでワニ肉販売を開始する際には、キャンペーンを行い、ワニ肉にはタンパク質が豊富に含まれることや、とりわけコレステロールを含まないことを、消費者に強く訴えるつもりだと、コラル氏は述べた。

ワニと暮らす毎日

 ココドリリア養殖場では、まだ小さいワニ数十匹も飼育されている。毎日餌を与えているのは、グアテマラ出身のマテオ・ラミレス・マウロさんで、4年前からほとんど毎日、ワニと一緒に暮らしている。

 マテオさんは、水や食料が足りているかチェックするだけでなく、病気をしていないか、成長したワニが厳密に管理されているかも監督している。

 18年前にキンタナロー州にやってきたマテオさんは、ワニの皮は冷たく柔らかい触感だと言う。また、ワニが小さいうちは、治療のために連れ出すときに噛まれないよう、口を縛っておかなければならないと語った。

 この手の飼育施設としてはキンタナロー州初(カンペチェ州とタバスコ州にはすでに同様の飼育施設がある)であるココドリリア養殖場では、特に学生を対象とした場内ツアーを組むことができる。総面積は30ヘクタールだが、現在は、飼育施設のある4ヘクタールのみ利用している。

 ココドリリア養殖場の出資者たちは、ワニ肉やワニ革の市場の展望は明るいとしながらも、現実的には、ワニの産業利用について、消費者の認知度を高める必要があると考えている。

ブラック・マーケット

 コラル氏は、UMASがワニの生息地に住む農民やエヒード住民と協定を結び、一定の報酬を支払ってワニの密猟を見張ってもらうことができるようにするためには、環境天然資源省の認可が下りることが重要だと繰り返した。

 コラル氏によると、現在起こっている問題は二つある。一つは、ブラック・マーケットでワニ革を販売するために、認可もノウハウもなしにワニを殺す人がいること、もう一つは、農民自身がワニを恐れて、または、なにがしかの金を得るために、ワニを殺してしまうことだ。

 このことについて、コラル氏は、「もし協定を結ぶことができたら、この地域のワニを保護することができるでしょうし、乱獲される危険もなくなるはずです。キンタナロー州では、皮をはぎ取られ解体されたワニが、腐乱した状態で見つかっているため、密猟者がいると考えられます。しかし、密猟は、ワニの保護にも雇用の創出にも役立ちません。ですから、ワニの密猟の取り締まりを要請し、ワニ生息地であるキンタナロー州やその周辺の集落と協定を結ぶための認可が下りるよう求めているのです」と語った。

 アルコセル氏は、ワニはメキシコ各地に生息しているため、ワニの養殖は、メキシコにとって大きな可能性を意味すると述べた。

 実際、カンペチェ州では、すでに同様のワニ養殖プロジェクトが動き出している。また、ユカタン州のリオ・ラガルトスでも、規模は小さいが、ワニの養殖が行われている。

 ワニの生息地に住む地元農民が参加する形式のプロジェクトは、メキシコ各地に広がっていく可能性がある。

 キンタナロー州のこの養殖モデルが他州でも実施されれば、ワニ革のブラック・マーケットを縮小することに役立つかもしれない。

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