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米国の失業率上昇が移民労働者に影響

職の保証なく、米国への労働移民の魅力減少

La Jornada 2012/06/28 (Notimex)

 OECD(経済協力開発機構、34カ国加盟)のホセ・アンヘル・グリア事務総長が発表した報告書によると、世界的な経済危機と緩慢な景気回復が、OECD加盟国の内の23カ国(メキシコも加盟)の失業期間の長期化の原因となっている。

 米国でのメキシコ人移民労働者は、最も失業の影響を受けており、とりわけ、失業率は2011年には10.2%に達したが、一方、米国における全外国人住民の平均失業率は9.1%であり、米国人失業率は9.2%であった。報告書によると、このことは教育や言語知識の水準の低さによるものであると同時に、雇用者側の差別的慣習のためでもある。

 米国内の高い失業指数の結果として、米国へ密入国を試みたメキシコ人と中米移民の数は、経済危機開始前の2007年の87万5000人から、2011年には35万人に減少した。「いわゆる密入国は、多額の費用を要するため、職が見つかる保証がなければ、移民希望者とその家族にとって魅力的でなくなるのである」と報告書は述べている。

 OECDの分析、「国際移民見通し2012」によると、移民労働者のみならず、地元労働者にも失業率増加が見られるが、外国人労働者にとって、より厳しい状況となっている。2011年にはアイルランドとドイツに住む外国人労働者の半数以上が、12カ月以上仕事を探している状態だった。

 スロバキアとハンガリーを除き、データが利用できるすべてのOECD加盟国においては、移民労働者は、長期失業率全体が14-30%増加した原因となっている。この数字は移民労働者の労働市場への参加比率を大きく上回るものであると、報告書は指摘した。

 スウェーデンとスイスだけをとってみても、外国人労働者は、それぞれの国の長期失業者のうちの56%に達した。ヨーロッパ諸国において、ラテンアメリカ・カリブ海出身の移民労働者の失業率は、22%という記録的な水準に達したが、これは、EU諸国の平均10%前後を大きく上回るものである。

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