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2013年メキシコ地方選挙

14州3000万人の有権者が、「メキシコのための協定」に審判を下す。
国民の代表として1374議席が争われる。
人気下降に歯止めがかかったことを示したいPAN
一連の勝利を補強したいPRI
初めてAMLO抜きで戦うPRD

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写真:この日曜日に行われる基礎行政区長および州議会議員選挙のため、カンクンの通りは、あらゆる政党のポスターで覆い尽くされている (Elizabeth Ruiz)

ジョージーナ・サルディエルナ、アルマ・ムニョス、ホセ・A・ロマン
La Jornada 2013/07/07

 暴力によって状況が悪化するなか、この日曜日、メキシコの14の州において、地方選挙が行われる。投票する有権者数は3000万人以上で、全国の有権者の37%にあたる。

 国民の代表として、合計1374議席が争われる。対象となる州は、アグアスカリエンテス、バハ・カリフォルニア(唯一、州知事選挙も行われる)、コアウイラ、チワワ、ドゥランゴ、イダルゴ、オアハカ、プエブラ、キンタナロー、シナロア、タマウリパス、トラスカラ、サカテカス、ベラクルスの各州である。選挙で争われるのは、931基礎行政区の区長、多数代表制の州議会議員272議席、比例代表制の州議会議員170議席となっている。また、ソノーラ州オブレゴン市の選挙区における特別選挙も、併せて行われる。

 7月7日の投票日は、PRIの政権回帰後、初めての選挙となり、「メキシコのための協定」の強さが試されるのみならず、主要3党の今後にも影響を与えると、各党の研究機関は述べている。

 昨年の選挙で大敗北を喫した国民行動党(PAN)にとっては、今回の選挙は、人気の下降に歯止めをかけることができたことを示す機会であると言える。また、選挙でPANが勝利した場合には、PANの党首として、グスタボ・マデーロが再選されることも意味している。

 制度的革命党(PRI)のセサル・カマチョ・キロス党首の課題は、前任者のペドロ・ホアキン・コールドウェルがもたらした一連の勝利を、維持していくことができることを示すことである。

 一方、民主革命党(PRD)には、前大統領候補で大量得票の源であったアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール(AMLO)の離党後も、選挙で勝利できる左派勢力として存続していくという課題がある。

 この日曜日、前出の14州7万3000か所に投票所が設けられる。PRIは、投票所を監視するために、16万人の支持者を動員し、票が不正に奪われることを防ぐための戦略として、1万人以上の弁護士を準備させている。また、PANは、監視のための約12万7000人の支持者と、1300人の弁護士を動員している。一方、PRDも、100人以上の弁護士を集めている。

支持者たちによる監視

 主要3党は、投票所を監視させ、いかなる不正行為をも告発するために、党幹部や上院・下院議員を各選挙区に配置した。また、各投票所に配置した支持者が報告する選挙結果を集計するため、集計センターも設置した。

 選挙に参戦するすべての政党は、有権者に投票所に出向いてもらうために、様々な措置をとっている。なぜなら、勝利も敗北も、投票所で決まるからだ。

 選挙が行われるのは14の州であるが、PRI、PAN、PRDにとってより重要な州は、バハ・カリフォルニア、オアハカ、プエブラ、シナロアの各州である。

 選挙戦の最終週には、グスタボ・マデーロPAN党首とヘスス・サンブラーノPRD党首は、組織犯罪で痛めつけられた各州で、多くの候補者が襲撃や脅迫を受けていると警告し、陸海軍の出動を政府に要請した。連邦政府はこの要請に応えず、通常の警備以外の特別な警戒態勢を敷くことはないと発表した。

 しかし、サンブラーノPRD党首は、選挙が実施される危険度の高い基礎行政区を示す資料を、ミゲル・オソリオ・チョング内務大臣に届けたと述べた。

 暴力によって選挙の行われる状況が悪化するなか、野党は、PRI所属の州知事たちが自党の候補者たちの利益を優先させ、社会プログラムがおろそかになっていると訴えている。

 今回、PANの主要なメンバーたちは、今日の投票で重大な不正があれば、PANの「メキシコのための協定」への参加について、考え直す必要が出てくるだろう、と警告している。この「メキシコのための協定」は、いわゆる構造改革を実現するために、野党がエンリケ・ペニャ・ニエト政権と結んだ、前代未聞の協定である。

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