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チランゴのガルナッチャ

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写真:チチャロンのゴルディータ (Getty Images)

 チランゴ(メキシコシティ出身の人)はガルナッチャ好きで、ガルナッチャを食べ歩く。持ち帰りのガルナッチャを食べながら街を歩くのは、とてもチランゴ的な楽しみだ。例えば、チチャロンのゴルディータやトラコージョ、ソペ、パンバッソ、トスターダ…。でも、ちょっと待って。ガルナッチャってそもそも、なんのことだろう?

 ちなみに、辞書には「トウモロコシの分厚いトルティージャに、トウガラシのソースや具材(インゲンマメ、チーズ、サワークリーム、肉など)をのせたもの」とある。 (Academia Mexicana de la Lengua)

ガルナッチャの定義は?

 どの食べ物がガルナッチャに含まれ、どれは含まれないか。これは、炎上するテーマだ。シェフのリカルド・ムニョス・スリータ氏は、「ガルナッチャとは、気軽に食べられる庶民的な軽食のことだが、具体的に何を指すかは、地方によって変わる。軽い食事なので、朝食や夜食として食べられることが多い。主に屋台で売られるストリート・フードである」と言っている。

 オアハカのガルナッチャは、分厚いトルティージャに豚肉をのせて焼いたものだ。ベラクルスでは、ガルナッチャとはソペ(分厚いトルティージャに煮豆や野菜をのせたもの)のことだし、プエブラでは、二つ折りにしたタコスを揚げたものを指す。けれども、ここメキシコシティでは、なんでも全部「ガルナッチャ」と呼んでしまう。

 なんでも全部ガルナッチャ、と言われても困る人のために、ちょっと説明しよう。

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写真:豆と鶏肉のソペ (Honest Cooking)

チランゴのガルナッチャの条件①

 「ストリートの屋台で売っている、いかにも血管詰まらせる系の揚げた食べ物である」

 つまり、ラードで揚げた豚皮を詰めた揚げパン「ゴルディータ」だとか、豆や豚皮の唐揚げを分厚いトルティージャにのせた「トラコージョ」だとか、鶏肉をのせたソペだとか、トウモロコシ団子「タマル」を油で揚げたものだとか、メキシコの餃子「ケサディージャ」を揚げたものだとか…。とにかく、ガルナッチャは油もの・揚げ物である。

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写真:揚げたケサディージャ (Vice)

チランゴのガルナッチャの条件②

 「タコスはガルナッチャに入らない」

 「ガルナッチャする」というとき、その食べ物がバルバコア(蒸し肉)のタコスではないことは明らかだ。それが、モツやスアデロ(牛の胸骨周辺の肉)のタコスとなると、少し曖昧になる。けれどもやはり、タコスはタコスで、ガルナッチャはガルナッチャだ。

チランゴのガルナッチャの条件③

 「ガルナッチャとフリタンガ(フライ・揚げ物)は別物だ」

 ガルナッチャは揚げた食べ物だが、だからと言って、すべてのフリタンガがガルナッチャとは言えないし、ガルナッチャだからといってフリタンガだとは限らない。魚のフライはガルナッチャではなく、フリタンガだ。フライドチキンもフリタンガ。小麦粉でできたスナック菓子は、一般にはフリタンガだと思われているが、議論の余地はある。ジャガイモとチョリソーを詰めた揚げパン「パンバッソ」は、ガルナッチャであり、かつフリタンガでもある。

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写真:パンバッソ (Yelp)

史上初!「チランゴのガルナッチャ」の定義

 「油やラードを使い、コマル(トルティージャ用のフライパン)の上で調理され、道端で売られている、少しの量でも太る食べ物のこと」

 はっきりしているのはここまでだ。読者の意見を乞う!

エクトル・クルス・ペレス
Chilango (2014/06/19)

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