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グアンタナモで身動きが取れないワシントン

バラク・オバマ政権は、グアンタナモに拘束されている「危険なテロリスト」の半数が、実際には罪のない市民であり、その一部は、米国の部隊によって、アフガニスタンで「買われた」人々だということを、何年も前から把握している。しかし、それらの市民を釈放すれば、ワシントンは、誘拐、拷問、戦争犯罪に対する大量の起訴や告発に直面することになるだろう。そのため、ワシントンは、釈放を際限なく遅らせることを決定した。現在、米国とフランスの数人の弁護士が、3カ月以上前からハンガーストライキ中の、ある被収容者の弁護を引き受けている。弁護士たちは、米国当局が彼に負わせている苦痛について語った。

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写真:グアンタナモのキャンプ・デルタ(AP)

アン・マリ・メルジエ
Proceso 2013/05/29

 フランス人弁護士シルバン・コルミエ氏は、「ナビルの健康状態は、日に日に憂慮すべき状態になっている。ナビルが、彼の米国人弁護士タラ・マレイと最後に電話で会話をしたのは、4月17日だった。疲れ切り、絶望している印象を受けた。その電話でナビルは、看護師たちが、強制的にナビルに食事をとらせ、そのたびにひどい苦痛を負わせていると訴えていた。看護師たちが彼の手足を、彼の言葉によれば『電気椅子にそっくりな』椅子に縛り付け、経鼻ゾンデを挿入する様子を、ナビルは詳細に語った」と伝えた。コルミエ弁護士は、同僚のジョゼフ・ブレアム弁護士と共に、グアンタナモの地獄のような状況から、ナビル・ハドジャラブを救い出そうとしている。

 ブレアム弁護士は、「収容所では、ナビルに強制的に食事を与えた後、嘔吐させないために、椅子に2時間縛り付けたままにする」と述べた。

 ナビル・ハドジャラブは、2月6日にハンガーストライキを始めたグアンタナモの被収容者100人の中のひとりだ。ストライキ参加者たちは、抗議活動を中断させようとする兵士たちに苦しめられ、4月13日に暴動を起こした。舎房の窓と監視カメラを毛布で覆い、看守たちと対決したのだ。この暴動に対する報復は、すぐに行われた。暴動があったその日のうちに、被収容者たちは独房に移動させられ、非常に厳格な監視体制下に置かれるようになった。

 数日後、米国当局は、健康面で危険な状態にあるハンガーストライキ参加者たちに、強制的に食事をとらせることを命令した。ナビル・ハドジャラブは、そのひとりだった。4月22日から、ナビルはチューブで強制的に食事をとらされるようになった。

 「ナビルは、ハンガーストライキの最初の数週間で、体重が20キログラム減少した」と、コルミエ弁護士は述べた。「この先、どれくらいの期間持ちこたえるか、わからない」

 さらに、ブレアム弁護士は、次のように述べている。「被収容者たちに、本人の意思に反して食事を与えるという暴力的な方法は、正真正銘の拷問だ。懲罰であり、ストライキを中断させるための圧力だ。しかしまた、このことは、ストライキ参加者たちが死亡すれば、国際的な政治スキャンダルを巻き起こすかもしれないという、米国当局の恐怖を反映していることも事実である」

 「おまけに、他の多くの被収容者たちと同様、ナビルも現在、『自殺予防監視』下にある。彼の独房の扉はガラス製で、24時間監視下に置かれている。夜となく昼となく、看守たちは30分ごとに、ナビルを揺さぶり起こす。おそらくは、まだ生きていることを確認するためだ」

(すでに発売中のProceso1908号の報道記事より抜粋)

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