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民間人が犠牲者となった場合、軍事裁判権は無効

Terra Mexico 2012/08/21

 メキシコ最高裁判所は、21日(火)、軍法のある条項が憲法違反であるとの判断を下した。その条項は、民間人を攻撃した軍人は、軍事裁判所で裁かれると定めている。しかし、最高裁判所は、それらの軍人は通常の裁判所で裁かれる、と判決を下した。

 投票では、この条項が違憲であるとする票が8票、合憲であるとする票が2票であった。そのため、最高裁判所大法廷は、1933年に発布した軍法典第57条が、違憲であると判決した。

 この条項は、「軍当局が正義と損害修復の任務を果たすことを実現するために、市民は、軍当局に出頭しなければならない」ことを意味するもので、メキシコ憲法と矛盾するものであると、オルガ・サンチェス・コルデロ裁判官は述べた。

 この判決は、ゲレロ州のある市民によって、権利救済訴訟が起こされたことから生じた。この市民の兄弟が、2009年、軍の衛兵所で兵士に殺害されたのである。

 事件の加害者である兵士は、軍事裁判所で裁かれているが、今回の判決により、最高裁は、この件の訴訟書類をゲレロ州の民事裁判所に送ることになる。

 2009年12月、米州人権裁判所は、メキシコに、軍法第57条を改正するよう命じた。市民を攻撃したことで起訴される軍人が、通常の裁判所で裁かれるようにするためである。

 しかし、メキシコ連邦議会は、今回違憲であると判決された、この条項の改革に取りかかるための、合意に達することができないでいた。

 先週、最高裁判所は、軍事裁判権を大きく制限する複数の判決を下した。軍人と市民が関係している28のケースについて分析し、下された判決である。

 2006年12月、メキシコ政府は、麻薬カルテルに対する広範な攻撃に、軍隊を使用することを決定した。それ以来、各人権擁護団体は、軍人を民事裁判所で審理することを、重要な要求事項の一つとしてきた。

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