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インフレ率上昇の見込み

エドガー・フアレス
El Economista 2012/08/01

 食品、主に穀物数種類や鶏肉、卵などが値上がりしている状況の下、メキシコ中央銀行(BANXICO)からの諮問を受けた民間部門の経済評論家たちは、今年一杯までのインフレ率見通しを再度上方修正し、3.81%から3.91%とした。これは、少なくとも2010年1月以降のインフレ率予測では、最も高い数値となった。

 メキシコ地理統計局(INGE)によると、7月前半のインフレ率は0.39%で、年換算4.45%となった。これは、卵や鶏肉などの農畜産物価格の高騰の結果であるが、この高騰は、ハリスコ州の農場数カ所で、鳥インフルエンザが発生したことによるものである。また同時に、5月下旬以降、穀物数種類が値上がり傾向を維持している。

 こうした情勢の中で、メキシコ中銀の諮問を受けた評論家たちは、7月のインフレ率は0.48%と予測し、今年全体のインフレ率見通しを、前回調査時の3.81%から、今回の最新の調査での3.91%へと引き上げた。しかし、2013年と2014年については、インフレ率が低下し、それぞれ3.65%と3.60%になると予想した。

低い成長率

 一方、国外の複雑な経済情勢の継続が原因で、メキシコ中銀に回答した評論家たちは、今年の成長率見通しを、3.72%から3.71%へ、若干引き下げた。

 メキシコ中銀は、民間の経済評論家への7月の諮問結果の中で、詳細を明らかにした。その詳細によると、2012年の第2四半期の国内総生産は3.95%成長したが(前回調査では3.94%の予想であった)、一方で、評論家たちは、第3四半期は3.21%(前回予想3.34%)、第4四半期は3.15%(前回予想3.18%)の伸びを予測している。

 諮問を受けた評論家たちは、今後数カ月間メキシコの経済成長を妨げるかもしれない主な要因として、国外市場や世界経済の弱さと、不安定な国際金融情勢をあげた。

 しかし、これから年末までの経済成長を抑止するであろう、その他の要因として、メキシコ国内の治安問題や構造改革の欠如も、上位4位以内にあがった。国内の政治不安を重要な要因と見なした評論家は、わずか4%であった。

 しかし、これから先、6カ月間続くであろう、ビジネス環境の否定的な認識は、前の半年と比較して、増加した。というのは、過去の調査では、評論家のわずか4%が悪化を予想していたのに対し、今回は15%が悪化すると考えたからだ。それでもまだ、66%が現状を維持すると考え、19%が改善すると見なしている。

雇用は増加

 雇用については、民間部門の経済評論家たちは、見通しを上方修正した。前回の調査では、2012年の終わりまでに、メキシコ社会保険庁(IMSS)加入労働者数が、61万8000人増加すると予測していたが、この7月の調査では、62万8000人へと、予想値を引き上げた。また、2013年のこの指標については、57万4000人増加すると予測した。

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