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米国への移民、減少傾向

2005年から2010年の移民数、直前5年間の半数以下

ハイメ・エルナンデス
El Universal 2012/04/24

 ピュー・ヒスパニック・センターの調査によると、何世代にもわたり米国との国境をすり抜けてきたメキシコ人の移民の流れが、この40年間で初めて頭打ちとなり、中長期的に見れば減少に転じていたことが明らかになった。

 この調査は、メキシコや米国のさまざまな研究機関・大学が指摘してきたことを裏付ける形となった。移民数が減少した原因は、米国経済の不調や強制送還者数の増加、密入国ルートの危険度の高さ、国境警備の強化、メキシコの出生率の低下、リオ・ブラボ以南の経済状態の不安定さなどが考えられる。

 ピュー・ヒスパニック・センターのポール・テイラー所長は、「この減少傾向がいつまで続くのか、また以前のレベルまで戻るのか、まだわかりません。ただ、これが単なる一時的な休止状態ではないということは、わかっています」と述べた。

 調査によると、2005年から2010年の5年間で、合計140万人(1995-2000年の移民数300万人の半分以下)のメキシコ人が米国へ移民したが、一方で、140万人(1995-2000年の帰国者数の約2倍)が米国から帰国している。

 調査担当者は、米墨両国の様々な研究機関のデータや統計をもとに、1995年までさかのぼった比較研究を行い、複数の研究機関の調査結果を裏付ける形となった。

 この調査は、米墨両国の統計局の厳密なデータを使用して行われた。その結果は、移民数の減少傾向という、この40年間で初めての結果となり、米国に1200万人以上のメキシコ人を移住させた移民の急激な増加傾向が、ここに来てストップしたことを表す重要なものとなった。

 調査担当者のジェフリー・パッセル氏、ディベラ・コーン氏、アナ・ゴンサーレス・バレラ氏は、「2006年以降、メキシコから米国への移民が減少してきていることは、数年前から明らかでしたが、メキシコへの帰国者が増えたことを表すデータは、ごく最近まで、わずかしかありませんでした。しかし、2010年にメキシコで国勢調査が行われたため、データがそろったのです。国勢調査の結果によると、2010年の調査直前の5年間にメキシコへ帰国した移民の数は、その前の5年間に帰国した移民の数の2倍になっています」と述べた。

 しかし、調査結果によると、メキシコ人の移民数は増えていないにもかかわらず、メキシコ系アメリカ人の人口は増え続けており、2010年には3300万人に達した。2000-2010年の間に、出生数が移民数を上回ったことが、その主な原因である。

 米国は1200万人のメキシコ人移民を抱えているが、この数は、その他の国の出身者を上回り、トップである。しかし、2007年には700万人いた不法移民は、約100万人減少して、610万人となった。

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