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一農村が、世界一の大富豪カルロス・スリムに宣戦布告

メキシコのある村が、鉱山開発をめぐって、世界で最も裕福な男と対決している。

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写真:フリスコ鉱山会社は、この場所で今後50年間、金を採掘する (EFE)

El espectador 2012/07/21

 メキシコ中部の一農村が、世界一の大富豪、メキシコ人のカルロス・スリムに宣戦布告した。金や銀の鉱床の採掘が、村の環境を破壊する危険があることから、採掘を阻止するためだ。

 鉱床は、プエブラ州の山中に位置するテテラ・デ・オカンポの、ラ・エスペヘラ山にある。その場所で、スリム氏所有のフリスコ鉱山会社が、鉱脈を利用するための、50年間の採掘権を獲得したのだ。

 「徹底的に抵抗するつもりだ。しかし、スリム氏に話し合うつもりがあるなら、よく話し合って、村に損害を与えないように説得するつもりだ」と、市民団体「未来に向かうテテラ」のヘルマン・ロメロ会長は、EFE通信に述べた。

 開発事業は、まだ探鉱の段階にあり、採掘は、今年12月、連邦政府と関係基礎行政区のそれぞれの許可が完全に整ったときに開始される予定だ。

 フリスコ鉱山会社が採掘権を獲得した1万ヘクタールの山で、金や銀の採掘が始まれば、地域住民約4万人に水を供給している河川が汚染されると、ロメロ会長は警告した。

 「お金しか持っていない気の毒な人物であるカルロス・スリムと対決することを、私たちは恐れていない。鉱山開発は、環境を破壊し、川を水銀で汚染する。住民は、その川の水を飲用水として利用しているので、鉱山開発は住民を殺すことになる」

 環境支援市民団体「緑のプエブラ」のセルヒオ・マストレタ代表は、フリスコ鉱山会社がラ・エスペヘラ山の採掘の許可を獲得したら、近隣の五つの村の住民の命が危険にさらされ、森林が破壊される恐れがあると指摘した。

 テテラ村のマルコ・アントニオ・ウリベ村長は、「フリスコ鉱山会社は、これまでのところ、うまく立ち回っている。しかし、村は、フリスコ鉱山会社に土地の利用目的の変更を許可するつもりもないし、開発許可を与えるつもりもない」と述べた。

 「私たちは、村の災難と引き替えに金銭を受け取ることなど、決してできない」と、ウリベ村長は言う。ウリベ村長は、約2万5000人の住民が住んでいるテテラ村を治めている。村では、質の良いリンゴやモモ、トウガラシ、トマトが、水耕栽培用の温室で栽培されている。

 テテラ村に住む60歳前後の男性、エクトル・ラサロさんは、「フリスコ鉱山会社は、場所の選択を間違えている。私たちは、その会社のお金も、勤め口も、欲しくない」と語った。

 プエブラ州議会は、地元の自治体や市民、市民団体が非難しているように、フリスコ鉱山会社が自社に有利な形でプエブラ州の山中で探鉱作業を行っているか調査するよう、連邦政府に要請するための決議を準備している。

 プエブラ州選出のラウロ・サンチェス・ロペス下院議員は、数日前、採掘は地域の環境に影響するため、「実現不可能」だと思われることから、採掘を阻止するつもりだ、と述べた。

 「このような性格の計画を、この地域で実施することは、恐ろしいことだし、実現不可能だ。なぜなら、この地域は、総合的な生物多様性を保っている数少ない地域の一つだからだ」と、制度的革命党(PRI)のサンチェス・ロペス議員は、ウニベルサル紙に明確に回答した。

 フリスコ鉱山会社は、3年前に、この地域にやってきた。環境天然資源省は、鉱山会社の環境影響報告書の提出義務について、探鉱中は必須ではないが、採掘開始時には必須であると定めている。

 エクトル・ラサロさんは、「お金なんか欲しくはない。水と平和な生活が欲しいだけだ」と力を込めて語った。 (EFE)

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