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麻薬マフィアの大物たちが眠る豪華な霊廟

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写真:ハルディネス・デル・ウマヤ墓地

 シナロア州の州都クリアカンにあるハルディネス・デル・ウマヤ墓地は、有名な麻薬マフィアたちが埋葬されていることと、彼らの墓が大聖堂の模型のように豪華であることで有名だ。

 シナロア州のエル・デバテ紙によると、この墓地には、モレーロス州で海軍との交戦中に死亡したアルトゥーロ・ベルトラン・レイバ通称エル・バルバスの墓がある。2010年にハリスコ州で軍との銃撃戦で死亡したイグナシオ・コロネル・ビジャレアル通称ナチョや、犯罪組織ロス・アントラクスの大物フランシスコ・アルセ・ルビオ通称パンチョも、この墓地に眠っている。また、エクトル・ルイス・パルマ・サラサール通称グエロ・パルマの、あの痛ましい死に方をした妻子の遺体も安置されている。

 麻薬組織の大物が死亡すると、故人の思い出が永遠に残るように、白やピンクの大理石を使用した豪華な霊廟が建てられる。

 このような霊廟を建てるようになったのは、ここ20年のことだ。霊廟には、豪華なソーラー・パネルやエアコン、衛星テレビ、部屋、浴室、監視カメラまであり、ふんだんに金をかけられ、よく手入れされているため、ひときわ異彩を放っている。また、ほとんどの霊廟には、豪華な錠や装飾が施されている。供物台には、故人がライフル銃を手にしている生前の写真が飾られている。

 ハルディネス・デル・ウマヤ墓地は、国内だけでなく海外でも有名になり、世界中のジャーナリストが、ここを訪れている。また、俳優マリオ・アルマーダの姪で映画監督のナタリア・アルマーダは、この墓地を題材にしたドキュメンタリー映画を作成した。この「エル・ベラドール(墓守)」というタイトルのドキュメンタリーは、メキシコを代表して、2011年カンヌ国際映画祭のディレクターズ・フォートナイト部門で上映された。

 「エル・ベラドール」は、ハルディネス・デル・ウマヤ墓地の墓守マルティンを撮ったドキュメンタリーだ。マルティンは、作品中で、「故人を慕う人たちが、夜になるとやってきて、ここで宴会をするのさ。音楽のバンドを連れてきて、空に向けて銃をぶっ放すんだ」と語っている。また、エル・デバテ紙も、まだ新しい豪華な墓には、故人を慕っていた人たちが、ノルテーニャ(メキシコ北部の音楽)のバンドを連れて、頻繁にやってくると報じている。

 以前は、このハルディネス・デル・ウマヤ墓地は、中流階層の上部に位置する家族のための墓地だった。サン・フアン墓地が一杯になったため、現在は、この墓地が、シナロア州で最も古い墓地のひとつとなった。

(プロセソ 2014年8月)

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