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金持ちにはオーガニック食品、貧乏人には遺伝子組み換え食品?

フォルトゥナート・エスキベル
ALAI, America Latina en Movimiento 2013/01/23

 2012年の年末、農産物を生産していると自称する大企業数社は、かつてないほどの努力をした。生産量を増やすには、今すぐバイオテクノロジーを利用しなければならないと、人々に思い込ませる努力だ。つまり、遺伝子組み換え(GM)種子をまいてGM食品を生産することを、認めさせようとしたのだ。

 歴史的にみて、科学の偉大なる発明とは、常に初めは富裕層が利用し、ずっと後になって貧困層も利用できるようになるものだった。しかし、今回初めて、偉大なる発明(GM食品)が、まず初めに貧困層に割り当てられる。それはなぜか? 施しがあまりに高額だと、裏があるのではないかと疑うものだ。

 1879年に電灯が発明されたとき、最富裕層がまず初めに利用した。山村の集落や都市の貧困地区に住む最貧困層は、今日でも、その恩恵にあずかることなく生きている。電車、自動車、電話、飛行機も同じことで、貧乏人は、いまだに歩いている。

 GM食品は、世界初の貧困層向けの大発明だ。というのは、聞くところによると、世界の人口は「増加しすぎ」ていて、大部分は貧困層だからだ。1950年には約25億人だった世界人口は、1990年には2倍の50億人になり、今年は70億人になった。2050年には90億人を超える。金持ちは怖がっている。

 誰が何を食べるかは、もう決まっている。富裕層は、GM食品ではなく、オーガニック食品を買いにスーパーマーケットに行く。貧困層向けには、食品表示ラベルの貼っていない、低価格のGM食品が売られている。さらに、最貧困層の人々は、人道的支援という名の無料の食料、つまりGM大豆やGMトウモロコシを受け取る。

 一年前、「農産物生産」の大手企業は、GM大豆を20-30%だけ作付けすることを約束した。しかし、最新の情報によると、色々な経過があって、結局、栽培された大豆は、すべて生物学的に変更を加えられたものだった。合計100万ヘクタールに、GM種子がまかれたのだ。

 ウクライナ人の作家で地理学者のアレックス・ドブラボルスキー氏は、GM食品は鳴り物入りで吹聴されているが、危険性が高いと指摘し、自身の記事に、「富裕層は、GM食品を摂取することを拒否し、貧困層に押し付けている。これこそが、GM食品の有害性と反社会性の証拠だ」と書いている。

 専門家によると、GM技術によって種子は発芽の記憶を持てなくなるため、収穫した種をまいても発芽せず、1回しか収穫できなくなる。これは、絶滅の「ターミネーター技術」で、その種子はゾンビのように、生きているか死んでいるかわからない。

 GM種子は、農薬、昆虫、害虫に耐えるように作られたものだ。農地に除草剤のグリホサートを散布すると、雑草やその他の植物は枯れてしまうが、GM大豆は枯れない。それはなぜか?

 遺伝子を組み換える工程で、農薬、特にグリホサートで枯れないようにするためのバクテリアが、GM種子の配列に組み込まれることは間違いない。GM種子を製造する巨大多国籍企業は、GM種子から収穫されたものが「食品」だと、無理矢理信じさせようとしている。

 ドブラボルスキー氏は、「GM作物の分子が、グリホサートのような恐ろしいほど強力な農薬でも分解されない(枯れない)のであれば、動物や人間の胃や肝臓の消化液で分解されるわけがない」と、至極もっともな主張をした。従って、生命に必要不可欠な「食品」だと生産企業が言い張るこの物質は、当然、動物や人間の臓器には吸収されないのだ。

 もしそうなら、GM食品は、結果的に飢餓、栄養失調、胃や肝臓などの臓器への負担を招くことになる。なぜなら、貧困層の人々がGM作物を胃袋に収めても、そもそもGM作物は分解されないことを目的として作られたものなのだから、臓器の消化液や酵素によっても分解・吸収されないからだ。

 GM大豆の生産企業は、害虫とカビに耐性のあるGMトウモロコシ、GM米、GM綿の栽培を、まもなく開始することを発表している。しかし、それらの種子の遺伝子に有害なバクテリアが含まれているということは、GM作物には昆虫や害虫を殺す毒が含まれているということだ。

 この毒が人間の健康を害することは否定できないし、だからこそ、この恐ろしいテクノロジーが、まず貧困層に割り当てられたのだ。従って、食品製造各社が、GM食品かどうかを示すラベルを、直ちに自社製品に貼ることが重要だ。

 世界の人口は増え続けていて、その大部分は貧困層だ。そして、気紛れで頭がおかしく金にとりつかれた少数の大金持ちが、「金持ちにはオーガニック食品を、貧乏人にはGM食品を」割り当てようとしている。

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