e-MEXICO

ホーム > 文化・芸術 > ターキーはメキシコから世界への贈り物

ターキーはメキシコから世界への贈り物

foto

Mundo Medicinas

 クリスマスのディナーは、欧米ではとても大切な、広く受け入れられている伝統です。その豪華なおもてなし料理のテーブルの中央を占めるのは、たいていの場合、七面鳥です。

 クリスマスの前は、喜びと不安でいっぱいになります。なぜなら、何日も前からディナーの準備をしていても、何か予期せぬことやびっくりするようなことが、必ず起きるからです。でも、本当に起こっていることは、もっとすごいことなのです。何しろ私たちは、知らず知らず、はるか昔からの伝統を守る行為に参加しているのですから。

 メイン・ディッシュになることが多い七面鳥(スペイン語でパボ、メキシコではグアホロテといいます)は、クリスマスのごちそうの歴史の中で、大切な位置を占めています。でも、七面鳥がクリスマスの伝統料理となったのは、比較的最近のことなのです。では、その歴史を見てみましょう。

 今では、欧米の大部分の地域では、クリスマス=ごちそうですが、以前は、キリスト教を信じる多くの国で、頻繁に飢餓の時期があったことを考えると、これは、そう単純な話ではありません。つまり、昔からクリスマスのお祝いに付き物だった豪華なごちそうを準備することは、貧しい人々にとっては大変な努力を要することですが、同時に、犠牲的な行いとその何倍もの喜びを意味してもいるのです。

 クリスマスのディナーのメイン・ディッシュには、何の肉を使っても構いません。長い間、多くの地域で最も一般的だったのは、豚肉、ハム、魚、ガチョウなどの肉や、それらを組み合わせたメニューでした。たいていは、代々受け継がれてきたレシピに従って、クリスマス用のパンやケーキが何種類も焼かれ、肉と共にテーブルを飾ります。

 アメリカ大陸とヨーロッパの出会いによって、キリスト教世界は、多数の新しい言葉や習慣に触れることになりました。カカオやジャガイモ、カボチャ、トウガラシなどの新しい食物も、アメリカ大陸からもたらされたものです。アメリカ大陸ではウエホロトルと呼ばれていた七面鳥は、スペイン語の発音に合わせたグアホロテという名前になって、スペインに持ち込まれました。その後、ラテン語のパボという単語が充てられるようになり、短期間のうちに、カモや鶏肉に代わって用いられるようになりました。

 植民地時代のメキシコでは、クリスマスのごちそうには、ガチョウの肉を食べるのが習慣でした。独立後の、様々な文化が混ざり合ったメキシコでは、ガチョウではなく、七面鳥を食べるようになりましたが、アステカ時代のレシピも、まだ残っていました。

 米国人のデビッド・ストリックランドが、七面鳥を含む様々な種の標本をイギリスに持ち込んだことから、七面鳥は、イギリスから世界へと広がっていきました。このことから、ストリックランドの家紋には、雄の七面鳥が中央に描かれています。しかし、アメリカ大陸の七面鳥は、長い間、ギニアのめんどりだと勘違いされていて、それをヨーロッパに持ち込んだのは、トルコ人だと思われていました。そのため、英語圏の人々は、七面鳥をターキー(トルコ)と呼ぶようになったのです。

 こうして、特別な日に七面鳥を食べる新大陸の習慣が、イギリス全体に広がったことで、クリスマスのごちそうで食べる七面鳥が、世界的に有名になりました。伝統の面だけでなく、栄養面でも、七面鳥の肉は、たんぱく質やミネラル(カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛)、ビタミンA、ビタミンB群を豊富に含んでいます。

 伝統的なおいしい七面鳥料理で、クリスマス・イブとクリスマスと、場合によっては新年までを、堪能してください。

↑ PAGE TOP

inserted by FC2 system