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ウルグアイがグアンタナモ収容者の受け入れを決定

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写真:ウルグアイのムヒカ大統領(Radio Habana Cuba)

ペドロ・マヌエル・オテロ
Radio Habana Cuba 2014/03/21

 ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領は、今日、米軍グアンタナモ収容所に収容されている5人を同国に迎える決定について、「金銭」上の理由でも「便宜」上の理由でもないと述べ、5人の受け入れと交換に、米国に収監中のキューバ人を釈放するよう、米国のバラク・オバマ大統領に求めたと発表した。

 「グアンタナモの収容者の受け入れは、金銭のためでも物質的な便宜のためでもない。しかし、長期間米国に収監されている例の2、3人のキューバ人を解放するため、可能な限りのことをすることについては、われわれは、米国政府に、ためらうことなく求める。なぜなら、キューバ人の収監も、やはり恥ずべき行為だからだ」

 ムヒカ大統領は、自身のラジオ番組「大統領は語る」において、そのように表明したが、釈放を要求した収監者の名前を特定することはしなかった。

 キューバは、テロリズム防止のために活動していたキューバ人5人の釈放を、何年も前から米国に要求している。5人は、"ロス・シンコ"と呼ばれ、長期間米国に収監されていたが、そのうちの2人は、すでに釈放されてキューバにいる。

 ムヒカ大統領は、グアンタナモについて発言するにあたり、「オバマ大統領は、キューバ国内の米軍基地にあるグアンタナモ収容所の問題を引き継ぎ、現在、この人類の恥ずべき行為を終わらせるために努力している」と述べた。

 また、グアンタナモに収容されている人々は、アラブ諸国における「アルカイダ狩り」で捕らえられ、米国当局の下に連れて来られた人々であり、「多くの収容者が、裁判を受けることもなく、グアンタナモで死亡した」ことも指摘した。

 ムヒカ大統領は、ウルグアイにグアンタナモの収容者を受け入れるという米国の要請を「数カ月前に受け」、受け入れると返答したと述べた。「なぜなら、ウルグアイはいつでも亡命者を受け入れてきたし、それがウルグアイの主義だからだ」

 78歳のムヒカ大統領は、トゥパマロス民族解放運動の歴史的指導者の一人で、13年間投獄されていたことがあり、1973年から85年の軍事独裁政権期間中は、厳しい状況を体験した。

 ムヒカ大統領は、グアンタナモ収容者を亡命者として受け入れることについて、具体的なことはほとんど決定されていないが、「いずれにしても、ウルグアイの実社会で自由な人間として生きることになる」と述べた。

 亡命者たちが2年間ウルグアイを出ることができない可能性もあると報じられたことについて、ムヒカ大統領は、「もしそうだとすれば、それは彼らの善意からの行動であって、われわれがそれを押しつけることは決してない。われわれは、看守になることを引き受けることは決してないし、グアンタナモ収容所の法を引き継ぐこともない」と述べた。

 また、ムヒカ大統領は、「われわれは、裁判を受けることなしに13年間も収容されている人々に対して、見て見ぬふりをすることはできない」と述べ、「われわれは、これまで米国の帝国主義を批判してきたし、これからも批判していく。しかし、米国に、人類の恥を終わらせようとする大統領がいるときには、背を向けるべきではない」と、左翼連合の拡大戦線に所属するムヒカ大統領は結んだ。

 ウルグアイの週刊誌「ブスケダ」は、オバマ大統領の要請を受け入れるというウルグアイ政府の発表に先んじて報道した記事において、米国の意図は、グアンタナモの収容者たちを「世界の様々な地域の十数カ国に」振り分けることだと報じた。

 また、同誌は、ムヒカ大統領が中南米・カリブ海諸国共同体(CELAC)第2回首脳会議に参加するために1月にキューバを訪問した際、「米国の意向をキューバのカストロ議長に伝え、ムヒカ大統領とカストロ議長は、米国の意向を支持することで合意した。(…)先週の月曜日、米国のジョン・ケリー国務長官はムヒカ大統領に電話をかけ、米国の提案を受け入れたことに対する感謝を伝え、オバマ大統領が、6月になる前にムヒカ大統領をホワイトハウスに招く意向であることを伝えた」とも報じている。

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