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経済省が農村の女性と零細企業への補助金を削減

歳出予算案によると、農村の女性への補助金は23.5%、零細企業への補助金は42%削減。
ハイテク産業への補助金は221%増加。
貧困地区における雇用や、イノベーション部門のための補助金は廃止

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写真:メキシコ市で施しを求めるためにピエロの扮装をする子供たち(Yazmin Ortega Cortes)

スサーナ・ゴンサーレス
La Jornada 2012/12/10

 2013年国家歳出予算案によると、メキシコ政府は、来年、ハイテク産業への補助金を221%増額しようとしているが、一方で、経済省のプログラムで農村の女性に割り当てられる補助金を23.5%、零細企業に適用される補助金を42%削減しようとしている。

 「農村女性のための小規模融資基金」(FOMMUR)は、貧困状態にある女性たちの生産活動を助けて自営業を促進するため、1998年に設けられた。今年、この基金には2億5829万8000ペソの予算が割り当てられていたが、2013年は23.5%減少し、1億9753万2000ペソのみとなることが予想される。

 公式のデータによると、2001年から2012年9月までの期間に、150万人の女性が、FOMMURから195万8000件の融資を受けた。また、農村の女性たちが融資を受け、その資金や技術の習得によって生活水準が改善されたため、前政権は、FOMMURを非常に成功しているプログラムと称していた。

 また、「零細企業への融資プログラム」は、予算を42%削減され、2012年の2億6926万8000ペソから、2013年は1億5549万2000ペソになる。

 対照的に、「ハイテク産業発展プログラム」(PRODIAT)への予算は3倍になる予定だ。経済省は、このプログラムを通して、最高450万ペソまでの補助金を関連企業に交付する。コンピューター、通信、測量、電子工学、輸送車両、自動車などの機械や生産設備、備品を製造する企業が対象になる。市場の失敗に対応するプロジェクトを実現するための一時的な支援を行うことで、ハイテク産業の売り上げ、生産量、雇用、付加価値、生産性、競争力の強化を促進することが目的だ。

 PRODIATのための予算は、2012年の5122万4000ペソから、2013年には1億6456万ペソになり、221%の増加になる。概算で、FOMMURと「零細企業への融資プログラム」から1億7450万ペソ削減し、PRODIATに1億1300万ペソ追加することが計画されている。

 今年、経済省は、小規模の生産者や企業、中央市場、ハイテク産業やソフトウエア産業のための11種類のプログラムと補助金のために、186億2280万ペソを割り当てていた。

 政府は、2013年の補助金を9.45%増加し、203億8320万ペソとすることを申請している。現在もまだ実施中の11のプログラムのうち、9プログラムが引き続き実施される予定で、新プログラムとして、5億ペソの「起業家基金プログラム」が追加されることが、先週発表されたばかりである。また、「貧困地域における雇用創出プログラム」と、「イノベーション部門のための基金」の二つのプログラムは、今年、合わせて4104億4000万ペソの予算が割り当てられていたが、来年は廃止になる。

 「小規模経営者支援基金」(FONAES)、「中小企業基金」、「ソフトウエア産業発展プログラム」、「産業分野における競争力強化プログラム」などの五つのプログラムの予算は、合計で3750万ペソ増加し、前年比+3.7%になる。「外国投資誘致のための戦略的プロジェクト」は、2012年の予算の86.6%まで削減され、2億1600万ペソになる。また、「物流管理と中央市場における競争力プログラム」は、2億1600万ペソ減少し、前年比-57.3%になる。

 さらに、これらのプログラムのための予算が全般的に増加しているにもかかわらず、予算に占める補助金の割合は、人件費や運営費、物質的投資費用のために必要とされる金額と比較すると、減少している。

 というのは、今年は、この分野の予算186億2280万ペソのうち、補助金は45.81%であったが、2013年の予算案では、申請された203億8320万ペソのうち、補助金は42.3%となる予定だからだ。つまり、経済省が交付する補助金は、人件費、運営費、物質的投資費用やその他の経費を除外すると、実質的にはわずか9200万ペソ増加するのみとなる。

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