e-MEXICO

ホーム > 文化・芸術 > プエブラ産正統派タラベラ焼

プエブラ産正統派タラベラ焼

うわぐすりを塗った美しい陶器、タラベラ焼を見分ける

foto
写真:プエブラのタラベラ焼(Rafael Doniz, Mexico Desconocido)

2011/07/27 EFE Reportajes(El Universal)

 プエブラ産のタラベラ焼は、スペイン人征服者たちによってもたらされた技術ですが、メキシコの陶芸職人の手による、独自の特徴を持っています。その特徴は、装飾に利用されるデザインに表れています。

 プエブラ州には、正式なタラベラ焼工房が9カ所あり、それらの工房の製品は、本物のタラベラ焼であることが、保証されています。そのひとつ、アルマンド・タラベラ焼工房の生産管理者ラウル・カルバリオさんによると、「スペイン人征服者が先住民にタラベラ焼の技法を伝授すると、先住民たちは、すぐにその技術を習得し、色彩豊かな製品を作るようになりました。そのカラフルなデザインは、スペイン人が主に教会の装飾のために作っていた、宗教や風景を表現した製品とは、対照的なものでした」

 1998年、この民芸品の正当性を調査するために、タラベラ焼規定委員会が創設されました。「この委員会に所属する工房のみが、その製品を、『タラベラ焼』と呼ぶことができます。」 その正当性は、委員会から工房に使用許可が与えられる、特別なレーザー刻印によって識別されます。委員会に所属するためには多くの検査があり、天然色素を使用しているか、規定の6色のみが使用されているか、彩色用の絵筆の材料などが調査されます。「『本物の保証つき』の工房は、プエブラにしかありません。なぜなら、ここプエブラで、タラベラ焼の伝統が始まったのですから」と、カルバリオさんは自信を持って言います。しかし、大量生産の偽物のタラベラ焼を売る工房は、70年代以降増加し、今では、メキシコのどの地域にも存在しています。

 タラベラ焼伝来からほぼ5世紀後の今もなお、メキシコの土で作られるこの陶器は、その植民地時代からの製造方法を受け継いで生産されています。「すべては昔のままです。例外は窯だけで、昔は薪を使用していましたが、今はグラスファイバー製です。材料の土は昔のまま、化学物質を一切添加せずに使用しています」と、カルバリオさんは言います。

 観光ガイドのアルフレド・トレスさんは、タラベラ焼の真価は、先住民がスペイン人の技術を習得して、それを応用・発展させたことにあると言います。トレスさんは観光ガイドとして、色々な工房への見学を世話し、タラベラ焼の製造過程について説明しています。「タラベラ焼の始まりは、中国であったとする説が知られていますが、本当は、スペインのマジョルカ島がその起源で、『マジョリカ焼』の名で知られていました。そのマジョリカ焼の技術を、カスティージャ州タラベラ・デ・ラ・レイナ市の陶芸職人たちが習得したのが、タラベラ焼の始まりとされています」

↑ PAGE TOP

inserted by FC2 system