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古きメキシコの台所道具

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写真:メタテ (Eric Miraglia)

カルロス・ロメロ・ヒオルダーノ
MexicoDesconocido No.278

 私が見たことのあるメキシコの豪邸では、居間にはヨーロッパ風の家具が置かれていても、台所では、昔ながらのメキシコの台所道具が使われていました。1930年代の終わりまで、実際に使われていたそれらの道具も、今では農村でしか見られなくなりました。

 古きメキシコの台所道具をいくつか紹介します。

ウアカル

 一般的には、柳の細い枝やウオトリギの根のような、硬い繊維で作った手編みのカゴで、果物や豆類を入れるために使われます。農村の村々では、ゆりかごとしても用いられます。広義には、木の小さな板で作られた箱のようなものも、この名前で呼ばれ、果物や豆類などの食品を遠くまで運搬するために使用されます。

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(Pedro Diego Alvarado)

メタテ (ナワトル語のメトゥラトゥルが語源)

 メタテは、トウモロコシやカカオ、トウガラシ、ピーナッツなどを粉にするための石で、やはり石でできた円筒状の道具、メトゥラピル(すり棒)を使って粉にします。メトゥラピルの名は、「メトゥラトゥル」と「ピリ」、すなわち「メタテ」の「子供」を意味する語に由来します。

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(Mi Mundo Espanol)

モルカヘテ (ナワトル語のモルカヒトゥルが語源)

 モルカヘテは、石または土でできた臼の一種です。モルカヒトゥルは、煮込み、またはソースを意味する「モリ」と、土鍋、またはお椀を意味する「カヒトゥル」で、「ソース用の器」と解釈されます。モルカヘテが石でできている場合は、正しくはテカヘテと言います。テホロテまたはテモロテという石のすり棒を使って粉にします。

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(El Molcajete Mama)

ヒカラ (ナワトル語のヒカリが語源)

 ヒカラは、数種類のヒョウタンの外皮で作られる半球状のお椀で、一般的には磨いて釉(うわぐすり)をかけ、装飾が施してあります。スプーンやおたまのように使われていました。ヒカラは単純に、「ヒョウタンの容器」を意味しています。

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(Homero Cheff)

モリニージョ、またはモリニーア

 「振る」を意味する動詞「メネアール」から派生した単語で、スペインのカスティージャ由来の言葉と考えられてきました。しかし、スペイン人の到来前から、この道具はすでにメキシコに存在していて、今日と同様の使用法で、つまり、(飲む)チョコレートの泡立て器として、使用していました。

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(Wine Berserkers / Cocina y Comparte)

テコマテ (ナワトル語のテコマトゥルが語源)

 テコマテは、カボチャやココナッツ、特にクアテコマテと呼ばれるひょうたんの木の果実の外皮で製造された容器です。この語は単に「硬い鍋」と解釈することができます。

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(Latin American Studies)

テナテ (ナワトル語のテナトゥルが語源)

 テナテは、ヤシの葉を編んで作る容器で、今日でも、コマル(フライパン)で焼いたばかりのトルティージャを入れるために使われます。その語源はわかっていません。

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(Puras Chuladas)

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