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【ルチャ・リブレ】元祖覆面レスラーはアメリカ人?

今から87年前、メキシコのルチャ・リブレに覆面レスラーが初めて登場しました。

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 今日ではメキシコ文化の象徴であり、メキシコの伝統でもあるルチャ・リブレの覆面ですが、実はちょっとおもしろいいきさつがあります。というのは、1930年代にはじめて覆面を使用したのは、メキシコ人ではなくアメリカ人なんです。

 事の始まりは1933年、メキシコのプロレス団体EMLLの創設者サルバドール・ルテロが、テキサスでプロレスを観たときのことでした。ルテロは、若手レスラーのコービン・ジェームズ・マッセイの試合を観て気に入り、メキシコに連れ帰ってシクロン・マッキーの名でデビューさせました。しかしマッキーは負け、観客の印象には残りませんでした。

 メキシコの新聞ミレニオによると、1934年、シクロン・マッキーはメキシコに戻ってきましたが、正体を知られることを嫌がりました。そこで、当時レスラーたちのシューズを作っていたアントニオ・トーレスに頼んで、正体を隠すための覆面を作ってもらいました。

 覆面をかぶっての初戦は、苦しくて大変でした。そこで再びトーレスに頼んで、もっと快適な覆面を作ってもらいました。このとき、トーレスはシクロン・マッキーの頭を17ヶ所も採寸したのですが、おもしろいことに、この17ヶ所の採寸が、現在でもマスク作りの際の基準になっています。

 シクロン・マッキーは、メキシコで覆面をかぶって試合をするときは、“ラ・マラビージャ・エンマスカラーダ”というリングネームで戦っていました。

 メキシコ人のレスラーで初めて覆面をつけたのは、ムルシエラゴ・ベラスケスでした。1950年代には、エル・サント、ブルー・デーモン、エル・ラジョ・デ・ハリスコ、ウラカン・ラミレス、メディコ・アセシーノなど、後にレジェンドとなる覆面レスラーたちが登場し、大いに活躍しました。その後も、カネック、ミル・マスカラス、ドス・カラス、ドクトル・ワグナー、リスマルクや、最近ではレイ・ミステリオ、カリスティコ、シン・カラ、ペンタゴン・ジュニアなど、多くのメキシコ人レスラーが覆面レスラーとして活躍しています。

(メディオティエンポ)

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