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サポテカの村が独自の携帯電話網を設置

Proceso 2013/08/19

 オアハカのシエラ・ノルテ地方のある村では、メキシコで唯一、村独自の携帯電話システムを運営している。テルセル、モビスターなどの大手携帯電話事業者が、この地域へのサービスの導入を拒否したためだ。

 サポテカ先住民の村、ビージャ・タレア・デ・カストロに設置されたタレア携帯電話網(RCT)は、共同体ラジオ放送と同様の管理モデルをベースにしている。

 AFP通信によると、このモデルは、共同体ラジオ放送「ディサ・キエル」を手本にしている。通信設備には、低価格の世界移動電話規格(GSM)の装置やフリーソフト、VoIPが使用されている。VoIPは、デジタル化した音声を、インターネット回線で送受信する技術である。

 このプロジェクトの責任者のペドロ・フローレス氏は、プロジェクトを提案したリソマティカのメンバーでもある。フローレス氏は、ポータルサイトdesInformemonosにおいて、「大切なことは、長距離間の通話を可能にして、住民のためのサービスを向上することに加えて、共同体ラジオ放送のモデルをベースに、村が独自にシステムを管理していくことだ」と述べた。

 フローレス氏によると、10年以上の間、大手携帯電話事業者は、オアハカ州の州都から115キロメートル離れたタレア・デ・カストロにサービスを導入することを拒否してきた。山中や辺地での投資は実現可能ではないことが、その理由だった。

 そのため、プロジェクトを担当しているグループは、このプロジェクトに賛同している他の辺地の村々での集会に、より積極的に参加しようと考えている。

 ビージャ・タレア・デ・カストロは、米国への移民率が高い村である。その村で、すでに携帯電話が使えるようになり、さらに、村がそれを独自に管理していることについて、住民たちは満足している。

 フローレス氏によれば、以前は1通話に6ペソ払っていたが、今では50センターボ払うだけになった。

 AFP通信の報道によると、この携帯電話網は、11本ある回線がいっぱいにならないよう、1通話の通話時間を5分以内に制限しなければならないが、利用者たちは、自由に市内通話を利用することができる。

 また、このシステムを通して、世界中どこへでも電話をかけることができる。というのは、システムが持っている共用の電話番号は、電話交換機に接続されたコンピューターにつながっており、この交換機が、通話したい相手の電話を特定するからだ。

 さらに、電話番号は、村の番号のほかに、米国のロサンゼルスとシアトルの番号もある。

 フローレス氏は、このプロジェクトの意図について、大量消費志向を退け、責任を持ってテクノロジーを利用することも促進しようとしている、と述べた。

 同氏によると、大手携帯電話事業者は、村がすでに独自の携帯電話網を持っていることを知ると、すぐにサービスの提供を申し出てきた。しかし、住民は、それらの事業者には関心がなく、「金もうけに来てほしくない」と考えている。

 通信委員会(COFETEL)は、住民たちに、この設備を試験的に2年間利用する許可を与えた。しかし、COFETELは、携帯電話網の運営をその後も継続していく場合は、エリアに4つの州が含まれていることを条件としている。

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