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トウガラシの学説と定義

トウガラシは、メキシコおよび中南米原産です。温帯または熱帯地方で栽培されます。トウガラシをもっと身近に!

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写真:メキシコ料理には欠かせないトウガラシ

Mexico Desconocido

 トウガラシ(スペイン語でチレ)の語源はナワトル語のチリィで、非常に多くの種を持つ草本植物や、一年生の亜灌木であるナス科のCapsicum annum (トウガラシ)を指す名前です。多年生の灌木Capsicum frutescens (キダチトウガラシ)に分類される種もあります。

 高さは通常30-80センチメートル、茎は直立して枝が多く、滑らかです。葉は単葉で互生、一般的には卵形で全縁、滑らかで光沢があり、葉柄は短いもので5センチメートル、長いものでは12センチメートルにもなります。

 花は両性花で、葉腋に花を1個だけつけ、花柄があります。また、花冠は放射相称で合弁、車形、白、緑、赤紫色などの花をつけます。萼は短くて一般的に5枚に分かれます。花冠の5枚の花弁は接合していて、5枚に分かれている先端部分で区別することができます。花冠の付け根には短いおしべが5枚あります。子房は上位子房で、二つまたは四つ、中軸胎座になっていて、単一の形の子房が重なっています。

 果実もまた、トウガラシと呼ばれ、不裂開で直立または振り子のように実り、不完全な2子房または3子房となっています。形や大きさは様々で、甘いものや辛いものがあり、熟したものは赤やオレンジ色、熟していないものは緑や白、赤紫色をしています。腎臓のような形をした、たくさんの小さな種子が入っていて、この種子と、種子と果実の壁を結ぶ胎座には、オレオレジンや辛味成分カプサイシンが多量に含まれています。

メキシコ料理におけるトウガラシ

 メキシコではトウガラシは欠かせないもので、あらゆる料理に風味を添えてくれます。間違いなく、国民的調味料ナンバーワンです。メキシコでは、100種類以上のトウガラシが知られていて、かつて、サアグン修道士は、トウガラシを「この地のコショウ」と呼びました。

 トウガラシの味は甘くも塩辛くもなく、単純に辛いと感じる味です。口に火傷をしたような痛みは、他の具材の味を変えるだけでなく、圧倒してしまいます。それこそが、モーレやティンガ、タコスのソース、誰もが大好きなエンチラーダのような、代表的なメキシコ料理の真価なのです。

 しかし、一方では、トウガラシはユニークな特性を持っています。天然の興奮剤であり、また、ある種の痛みを消し去る作用(科学者たちによると、脳内にアヘンのような物質が放出されるため)もあります。「二日酔い」に非常に効果的で、食欲を増進し、風邪の症状を軽減し、(発汗作用で)毒物の排泄を助けます。はげた頭に塗れば髪が生えてくるという迷信まで広まっています。また、ものもらいを治し、邪眼の呪いまで解いてしまうと言われています。

 色々ありますが、トウガラシには、栄養面で必要不可欠なビタミンCや様々なミネラルが、豊富に含まれていることは確かなようです。

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