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商業銀行が地方自治体の債務を独占

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表:州内の基礎行政区の債務に占める、商業銀行からの債務の割合。カンペチェ、ケレタロ、モレーロス、プエブラ、サカテカスの5州では、州内の基礎行政区の債務の90%以上が、商業銀行からのものである。(財務省)」

エリック・ラミレス、ミゲル・エルナンデス
El Economista 2013/1/3

 2012年第3四半期の財務省のデータによると、メキシコの五つの州において、基礎行政区の累積債務の90%以上が商業銀行への債務であり、政府開発銀行の関与が一層小規模なものとなっている。

 メキシコ政府のデータによると、カンペチェ州では、債務があるのは二つの市の市役所のみである。その一つであるカルメン市は、総額1億9750万ペソ(約13億6700万円)の債務があり、そのほぼ全額が、民間銀行に対する債務である。また、もう一方のチャンポトン市では、40万ペソ(約280万円)に達する負債の100%が、開発銀行の業務を仲介している商業銀行に対する債務である。つまり、カンペチェ州内の市役所の累積債務のうち、99.8%が、民間銀行の融資によるものとなっている。

 同様に、ケレタロ州、モレーロス州、プエブラ州、サカテカス州の基礎行政区の債務も、民間銀行からの融資によるものが、それぞれ95.7%、93.1%、91.1%、91.8%となっている。

 メキシコ国内の基礎行政区の財政の債務は、2012年9月には436億4650万ペソ(約3017億円)に達したが、商業銀行の債権は、そのうちの49.8%(217億3200万ペソ)にのぼる。その一方で、バンコメクスト、バンオブラス、フィナンシエラ・ルラル、ソシエダ・イポテカリア・フェデラル、ナショナル・フィナンシエラなどの金融機関に代表される政府開発銀行の債権は、41.9%(192億8300万ペソ)である。

 残りの数パーセントは、証券の発行、信託会社、ソフォレスやソフォメスなどの融資金融機関によるものである。

手続きの簡便さが融資を促進

 当紙からの質問に対して、経済財政調査センターのカルロス・ゴンサーレス・バラガン研究員は、商業銀行が迅速に融資を行うことと、各市役所において短期間で手続きできることのために、結果的に民間金融機関の割合が大きくなっている、と説明している。

 しかし、ゴンサーレス研究員は、政府開発銀行が、自治体政府のための魅力的な金融商品を、柔軟な条件で、かつ、多くは補助金同様の優遇措置で、次々と提供していることを説明し、いくつかのケースでは、融資された金額の40%から60%が補助金となることを付け加えた。

 一方、政府開発銀行にとっての障害は、メキシコ政府が貸付金を渡すまでに、長い時間がかかることだと、ゴンサーレス研究員は述べた。

プエブラ州の20の市役所が、水道局に6億ペソの債務

 メキシコ水道局(CONAGUA)は、プエブラ州の217の市のうち、約20の市の市役所に対して、分割払いを許可した。これらの市役所は、平均5年以上経過した滞納金を除いても、水道局に6億ペソ(約41億円)の債務がある。

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