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なんとメキシコがトウモロコシを輸入

国内生産者は全国レベルの会合を開催
輸出国への関税免除は経済省の法律違反

マティルデ・ペレス・U
La Jornada 2012/05/08

 メキシコ国内には、トルティージャの原料となる白トウモロコシのストックが300万トン以上ある一方で、政府は、80万トンの南アフリカ産トウモロコシを、関税なしで輸入することを認可した。これは、ハリスコ、シナロア、ナジャリ、ベラクルス、ゲレロ、タマウリパスの各州のトウモロコシ生産者にとっては打撃となると、トウモロコシ生産農家連盟(CNPAMM)のカルロス・サラサール氏は述べた。

 サラサール氏によると、メキシコと貿易協定を結んでいない国からトウモロコシを輸入する場合は、1キロあたり194%の関税を課すことが、2007年の輸出入に関する一般法で決められているが、経済省はこれに違反したことになる。

 「食用のトウモロコシは、不足していない。しかし、ブルーノ・フェラーリ経済大臣は、国内の多くのトウモロコシ生産者が打撃を受けることなど、お構いなしだ」

 「トウモロコシ輸入量調整委員会では、トウモロコシの生産、加工、商品化の一連の過程におけるすべての関係者が参加して、状況を話し合い、輸入と関税の減免について一致をみた場合には、政府官報に発表される。しかし今回は、その委員会は招集されなかった」

 「政府は生産農家を不利な立場に陥れ、不公正な措置で国内産業に損害を与え、多国籍企業を優遇している。これは、不当なダンピングにほかならない。なぜなら、国内生産者たちは、食用の白トウモロコシの公正な価格を大幅に下回る金額しか、受け取っていないからだ」

 サラサール氏は、経済省によるこの不正に対し、全国のトウモロコシ生産者が会合を開き、同氏自身がトルティージャ製造企業の寡占価格に反対してきたように、合法的に対決すべきだ、と述べた。

 また、南アフリカ産の白トウモロコシの輸入が、トルティージャの価格を下げることに反対し、「トウモロコシの輸入は、消費者にとっても、他の誰にとっても、利益にはならない。多国籍企業数社を潤すだけだ」と述べた。

 トウモロコシは、メキシコにとって戦略的な作物であるため、市場の競争を統制する必要がある。私たちは、白トウモロコシ取引に参入しているマセカ、ミンサ、カーギルなどの企業の激しい競争にさらされている。一方で、メキシコの311万の生産者は、組織化や分業化がなされておらず、価格に影響を与えることができない。そのため、企業が生産者から安く買い取ることが可能になってしまうし、今回の経済省の事例のように、企業と政府が手を結ぶなら、なおさらである。

 サラサール氏は、関税免除で白トウモロコシを輸入し、国内生産者に損害を与えるのは、ウォルマートのケースと同様であると述べた。どのような条件で、80万トンもの白トウモロコシの輸入を認可したのか、調査するべきであるし、そうすることで、私たちも、フェリーペ・カルデロン政権が、本当に根底から汚職をなくすつもりなのかを、知ることができる。

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