- 障害のある子供たちの社会的包摂
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障害のある子供たちのための行政プログラムや法整備において、前進が見られたにもかかわらず、そうした子供たちは、依然として、社会の中で汚名を受け、排斥されている。
写真:ユニセフによると、障害のある子供たちのための政策は、メキシコではまだ成果が見られていない (Cuartoscuro)
CNN Mexico 2013/06/18
国連児童基金(ユニセフ)が今週火曜日に発表した報告書によると、メキシコでは、障害のある子供たちを保護するためのプログラムが作成されるなどの前進は見られたものの、これらの子供たちは、社会から最も差別され、最も排斥されている状況である。
メキシコ市で発表された報告書「世界子供白書2013障がいのある子どもたち」(以下、報告書)は、障害のある子供たちは、通学したり、適切な医療サービスを受けたりする確率が低く、暴力や虐待、搾取に最もさらされやすい、と指摘している。
ユニセフのデータによると、障害のある子供たちのうち、幼稚園に通園していない子供は約半数の47%、小学校に通学していない子供は17%、中学校に通学していない子供は27%である。
また報告書は、「障害のある子供を扶養することは、経済的負担が大きいため、それが原因で、両親が子供を家に置き、社会から離してしまうことになる。それに加えて、社会的な偏見もある」と指摘している。
「本当にすべての人を受け入れ、障害のある子供たちの権利を尊重する社会を実現する約束を果たすためには、社会の認識を変えるような計画の中に、彼らを加える必要がある」と、ユニセフ・メキシコ事務所のイサベル・クローリー代表は述べた。
メキシコ地理統計局の2010年国勢調査の資料によると、メキシコには、590万人の障害者がおり、そのうちの120万人は19歳までの子供や青少年で、人口の1.46%に相当する。また、農村部では、人口の23%が何らかの障害を持っている。
報告書によると、農村部では、障害のある子供たちは、はるかに困難な状況にいる。というのは、差別によって、社会から二重に排斥されるからだ。
ユニセフは、障害のある子供たちの保護ついて、メキシコにおいて進歩 ―例えば2007年に障害者の権利に関する条約を批准したことなど― があったことは認めたが、何らかの障害を持つ未成年の社会参加については、いまだ十分とは言えない、としている。
報告書は、2010年に行われた「メキシコにおける差別に関する調査」のデータを引用し、障害のある人々は、差別を受けることが6番目に多い人々であると指摘した。
現在までのところ、障害のある子供たちの人権を守るための政策について、成果が出ているかどうかはわかっておらず、対応プログラムをまとめ、目に見える形にしていくことが、政府の課題となっている。
そのために、「差別をなくし、物理的かつ法的な障壁を取り除くような、総合的な政策が求められている」と、クローリー代表は述べた。
報告書によると、世界では9300万人の子供たち ―14歳未満の子供の20人に1人― が、中度または重度の何らかの障害を持っている。
報告書は、各国政府に対し、全国民に平等の権利を保証する約束を果たすように強く求め、世界の約3分の1の国々が、障害者の権利に関する条約を批准していないことを改めて指摘した。