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トルティージャの生地「ニクスタマル」の作り方

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ニクスタマルを作ることは、メキシコではとても大切な意味があります。作り方を覚えて、実際にトルティージャを作ってみてください。

 メキシコ人なら誰でも、トルティージャを食べたことがあります。でも、トルティージャの作り方を知っているメキシコ人は、どれくらいいるでしょう?

 まあ、たくさんいることはいるでしょう。トルティージャはメキシコの家庭で食べられてきた主食で、その作り方は何世代にもわたって受け継がれてきました。そこで質問ですが、あなたは自分の手でトルティージャを作ったことがありますか? 一からトルティージャを作ることは、私たちの歴史を真に体験すること。とてもすばらしい経験なので、ぜひ作ってみてください。

 トルティージャ作りの第一歩はトウモロコシの種をまくことです。トウモロコシの栽培期間は約8ヶ月で、宗教行事のサイクルと密接なかかわりがあります。収穫後は乾燥・脱穀し、成分や手ざわりを変化させる錬金術のようなプロセスを経て、石臼ですりつぶしてトルティージャ生地になります。このプロセスを、ニクスタマリサシオン(ニクスタマルにする)といいます。

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ニクスタマリサシオンとは

 トウモロコシの粒を石灰と水で茹でるこの方法は、とてもシンプルで簡単で完璧な方法で、先スペイン時代に発明され、現代に受け継がれてきました。考古学者のヴィクトリア・ノベロによると、「水に塊状や粉末の生石灰を溶かすと化学反応で沸騰します。この石灰水を茹で水に加えてトウモロコシを茹でると、薄皮がはがれて柔らかくなります。そのため、粒が水を吸って粘度が増し、石臼ですりつぶすと、でんぷんがペースト状になります」

 ニクスタマリサシオンのプロセスを経ることで、トウモロコシのたんぱく質が消化されやすくなります。また、ナイアシンも吸収されやすくなるため、ペラグラ(ニコチン酸欠乏症)を防ぎます。カルシウムも増加します。

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ニクスタマルから作ったトルティージャの方がいい?

 断然いいです! 第一に栄養があるし、おいしいし、そして何より、大切な意味があるからです。メキシコ在来種のトウモロコシからニクスタマルを作り、そのニクスタマルから作ったトルティージャを食べるということは、メキシコの最も古い文明の源に、ダイレクトにつながる体験をするということです。また、メキシコの農村を支援するサステイナブルな行動でもあります。

 以下に、ニクスタマルの作り方を載せておきます。ぜひ、手作りのニクスタマルで自家製トルティージャを作ってみてください。

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1. オロテラ(トウモロコシの穂軸をまとめた道具)を使って脱穀します。
2. 粒を乾燥させた後、鍋に入れ、水を加えます。
3. 水に溶かした生石灰を鍋に加えます。
4. 薄皮がはがれるまで沸騰させながら茹でます。
5. 火をとめたらそのまま12時間置いておきます。
6. ざるに上げて水洗いします。水が透明になるまで洗います。
7. まだ湿り気のある粒を石臼ですりつぶします。

(マスデメヒコ 2020年3月)

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