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メキシコ通信改革の変更点

エンリケ・キンターナ
El Financiero 2014/07/07

 議会において、通信業界の寡占についての議論が終わり、今後数カ月の間に、通信改革による様々な変更が発生する。消費者にとって特に重要だと思われる変更点をいくつか挙げる。

1. 固定電話、携帯電話の長距離国内通話料(訳注)を廃止する。

 これにより、昨年の各事業者による請求金額の内訳から判断して、消費者の負担が年間220億ペソ(約1700億円)減少すると予想される。アメリカモビルの場合、長距離国内通話料は、請求金額の中で高い比率を占めていた。

2. アメリカモビルのサービスエリア内での事業者間接続通話の接続料金をゼロにする。

 アメリカモビル以外の事業者がこの利点を活用し、利用者拡大のために電話料金を下げることが予想される。

3. すべての携帯電話利用者は、全事業者の全基地局を利用することができる。

 これにより、アメリカモビルのメキシコ子会社テルセルのすべてのサービスエリアにおいて、テルセル以外の事業者もサービスを提供することができるようになる。

4. テルメックスがついに念願の有料テレビ放送サービスを開始する。

 テルメックスが、今年3月以降18カ月以内に有料放送事業者としての要件を満たした場合、2015年9月、通信事業の認可内容の変更手続きが行われることになる。これにより、テレビサの有料テレビ放送との激しい競争が起こることが予想される。

5. 通信事業者は、サービスに支障が出た場合、利用者に対して補償しなければならない。

 これまでに数回、サービスに支障が出る事態があったが、補償について、法律で明確に定められていなかった。

6. 無料テレビ・ラジオ放送にオンブズマンを設置する。

 オンブズマンは、正式に登録されていることが必要で、視聴者の要求に応える義務がある。また、法的には規制されていないが、反論権についても通信改革関連政令に明記された。

7. アメリカモビルとテレビサは基幹設備を他社に提供する。

 アメリカモビルは既存の各事業者に、テレビサは入札手続き中の新規事業者に対して個別に、基幹設備を提供する。これにより、携帯電話とテレビ放送の市場で激しい競争が発生することが予想される。

8. 連邦通信機関(IFT)の権限が強化される。

 これにより、規定に違反した企業に、年間収入金額の最大6%までの罰金を科す可能性がある(最大手アメリカモビルの場合は165億ペソ(約1276億円)となり、違反を繰り返すことで罰金の金額が倍増する可能性もある)。また、IFTは、寡占の判断の他に、市場におけるある企業の力が過大かどうかを判断することもできるようになり、大きな権限を得ることになる。

 IFTが管理する番号ポータビリティの必要条件が緩和されるため、消費者の事業者変更が増加すると思われる。

9. 最大36カ月、プライムタイム(18時から24時)の全国放送番組に、クローズドキャプションまたは手話をつけなければならない。

訳注
長距離国内通話の受信者が契約地域外にいる場合は、発信者・受信者とも、通常料金に長距離料金が上乗せされる。

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