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メキシコの刑務所200%定員オーバー

 現行のメキシコの刑務所では4万人以上、すなわち200%以上の定員オーバーになっていると、メキシコ国立自治大学法学部学士院会員のエマ・メンドーサ・ブレマウンツ氏が明かした。

 過剰収容の割合が最も高い刑務所は、メキシコ州、バハ・カリフォルニア州、ハリスコ州、ソノーラ州、メキシコ市にあると言う。

 テペパンにある女性刑務所の元所長でもあるメンドーサ氏は、2011年の年末時点で、全国の刑務所における被収容者数の公式記録は22万4246人であると述べたが、その解決策は刑務所の増設ではないとしている。というのは、刑務所が不正と職権乱用、職員の資格欠如による「爆弾」を象徴するものだからである。

 また、汚職が容易に発生し、違法行為の温床となることも指摘した。

 そのためメンドーサ氏は、判決を下すのは裁判官だということを政治家が理解すること、また、政治家からの上意下達に従うのではなく、法の番人が法に従うよう義務付ける法律が必要であることを強く主張した。

 また、国内6~8カ所の大規模な刑務所には、大勢の服役者が集中しており、それがとりわけ、すし詰め状態や病気、感染症の発生を助長していると明かした。

 「規則を改善することが必要ですが、誰もそれを理解しようとはしません。なぜなら、そこは票の稼げる領域ではないからです。でも、もしどんな軽犯罪者でも刑務所に送るという政策を取り続けたら、市を閉鎖する必要が出てくるでしょう。全市民が囚人となってしまうからです」

 「刑務所自体もひどいものですが、もし服役囚が折り重なるように住み、必要な食事も、生きる機会も与えられずにいて、さらに社会には犯罪者は何にも値しない、人間ではない、権利がない、といったような考えがあるならば、状況は悪化することになります」と説明した。

 しかし、問題は単に収容過剰に由来するだけではなく、「軽」犯罪者であっても全員収容しようという、間違った刑務所政策の結果であるとも言える。

 メキシコには415~430の刑務所があり、そのタイプは連邦政府管轄の最も厳重なものから、通常の犯罪の刑を執行する市町村の小さなもの、国の管轄のものまで様々である。

 特に、1900年代の終わり頃までは、連邦政府管轄の刑務所はわずか3カ所であり、連邦特別区条例の改正前までは、重犯罪の服役囚と通常の犯罪の服役囚の両方を収容していたが、最近になって増設され、連邦特別区刑務所は、現在では10カ所を数えるまでになったと、メンドーサ氏は指摘した。

アルマンド・ルイス(エル・ソル・デ・メヒコ 2012年3月18日)

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