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タコス屋台が反トランプに立ち上がる

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foto:Reuters/AP

パブロ・スカーペリニ
Yahoo Noticias 2016/10/03

 米共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏に、向かい風が吹こうとしている。トランプ氏は、リベラル派の米ニュースチャンネルMSNBCのインタビューで、今のような生温い移民政策を継続すれば、米国はメキシコのタコス屋台であふれかえることになる、と言い放ったのだ。

 この発言は大きな波紋を呼び、米ヒスパニック商工会議所などが、トランプ氏の発言を逆手に取るキャンペーンを思いついた。

 キャンペーンの名は、「グアク・ザ・ボート」。メキシコ料理のグアカモーレとボート(票)をかけて作った名前で、すでに数日前から活動が始まっている。キャンペーンの内容は、トランプ氏の言う「タコス屋台」(その多くはヒスパニック系住民が経営している)を、有権者登録所にしてしまい、ヒスパニック系住民の投票率を上げて、トランプ氏の当選を阻止しようというものだ。

 このキャンペーンは、西のロサンゼルスから、テキサス州の各都市を通り、東のマイアミにまで、すでに広まっている。ちなみに、いくつかの調査によると、共和党が強いテキサス州でさえ、驚くべきことに、ヒラリー・クリントン氏が1ポイント、リードしている。

 テキサス州のヒューストンで「グアク・ザ・ボート」を進めるトーマス・ハル氏は、自身のツイッターで、「タコスを食べたついでに、有権者登録をしよう。ヒスパニック系の有権者がたくさん投票に行けば、民主党が勝つ可能性が高くなるのだから。」と呼びかけている。

 また、米国内200カ所のヒスパニック商工会議所は、全米のすべてのタコス屋台に、キャンペーンに参加するよう呼びかける。同会議所のハビエル・パロマレス会頭は、キャンペーンは特定の候補を支援するためのものではないとしながらも、数週間前には、同会議所のクリントン候補への支持を表明しており、「タコス屋台の有権者登録所は、二週間以内に機能するようになるだろう」と述べた。

 現在、ソーシャルネットワークを通してキャンペーンが広まり、フロリダやデンバーなどでは、有権者登録のできるタコス屋台が見られるようになった。特にデンバーでは、民主党の市議会議員のポール・ロペス氏がタコス屋台をまわり、有権者登録をするように呼びかけている。

 世論調査では、どちらの候補が勝つかは、ふたを開けてみるまでわからないと言われているが、一方で、ピューリサーチセンターは、7月の時点で、ヒスパニック系住民の票がクリントン氏に集まることを予想している。

 ピューリサーチセンターのデータでは、ヒスパニック票の66%がクリントン氏支持、24%がトランプ氏支持となっている。ヒスパニック系住民の票は、オバマ大統領がジョン・マケイン氏に勝った2008年と、ミット・ロムニー氏に勝った2012年の、二度の選挙の勝利のカギであった。それに加え、クリントン氏は、ヒスパニック系ミレニアルズ世代(現在18歳から35歳までの世代)や女性からの支持率が高く、いずれも70%を超えている。

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