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メキシコ市民の朝ごはん「グアホロータ」

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 「グアホロータ」という食べ物をご存じですか? メキシコ市に住んだことのある人なら、きっと知っているはずです。そう、みんな大好きな、メキシコ市民の朝ごはんの定番、タマレスのサンドイッチのことです。朝の通りに並ぶグアホロータの屋台、鍋から立ちのぼるタマレスの香り、呼び売りの声。それが、メキシコ市の朝の風景です。

 メキシコ市中心部の通りには、毎朝欠かさず、夜明けとともにグアホロータの屋台が現れます。人々が働きに出る前にグアホロータはもう出来上がっていて、これから一日の活動を始める大勢のメキシコ市民を待っています。グアホロータの屋台は、たいていは大通りの交差点、公園、バス停、地下鉄の駅前など、人が集まる場所にあります。メキシコ市の人たちは、それぞれお気に入りの店があって、他の店のグアホロータに浮気したりはしません。

 価格は1個10~20ペソで、とてもお手頃です。一緒に飲む飲み物はアトーレが定番ですが、カフェ・デ・オジャやインスタントコーヒーもあります。グアホロータと温かい飲み物のセットは「グアホロコンボ」と呼ばれていて、冬の寒い朝には特にありがたいものです。グアホロータはクラフト紙に包まれて渡されるため、この紙のにおいも朝のメキシコ市の風物詩となっています。

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メキシコ市民の朝ごはん、グアホロータ

 グアホロータには、普通のタマレスをはさんだもののほかに、揚げたタマレスをはさんだものもあります。揚げタマレスのグアホロータは、普通のタマレスをきつね色になるまで油で揚げて、パンにはさんだものです。

 グアホロータの屋台では、チラキーレスなどをはさんだサンドイッチもよく売られています。タマレスもチラキーレスも共にトウモロコシから作られた料理だという共通点からか、タマレスをはさんだグアホロータに、チラキーレス用のクリームとチーズをかけるという、ハイブリッドなグアホロータまで登場しました。

 グアホロータに用いられるタマレスは、トウモロコシの皮に包まれた細長いものが一般的ですが、バナナの葉に包まれた四角いオアハカのタマレスのこともあります。味も、甘いもの、トウガラシ・ソースのモーレ味、トウガラシとクリームのラハス入り、サルサ・ベルデ味など様々です。要するに、パンにはさんであればいいということです。

 タマレスのサンドイッチをグアホロータと呼ぶようになった由来については、いくつかの説があります。カロリーが高く、グアホローテ(七面鳥)のように太るからという説や、グアホロータという名前の田舎風のパンを使用するからという説などです。

 結局、グアホロータの起源ははっきりしません。でも、とにかくおいしくて、一日をエネルギッシュに過ごす力を与えてくれる! メキシコ市民ならみんな、そう思っているはずです。


(メヒコデスコノシード)

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